クロス・マーケティングは、2022年7月、全国20~69歳の男女2,500名を対象に「防災に関する調査(2022年)」を行い、結果を公表した。
気象庁は被害軽減や早めの避難をうながすため、「線状降水帯予測」の提供を6月から開始。大雨だけではなく地震や噴火などによる自然災害への心配はつきないが、今回は備え・実践編として、備えの実施や備えている物やこと、防災対策を行う際のきっかけや対策を行わない理由、防災訓練への意識と参加状況などを分析したとのことだ。
■調査結果
【災害への備え】
自然災害に対する家庭内の備えが「できている計」は16%となり、30代と60代は高かったものの2割に満たない結果となった。「防災の必要性を感じる」層でも、「できている計」は21%にとどまっている一方、「できていない計」は45%で、30代と40代は半数近くが家庭内の備えはできていないと回答した。
具体的な防災対策として”物の備え”では、「懐中電灯やランタン」「乾電池」「非常食・保存食・ペットボトルの水」「カセットコンロ・ガスボンベ」において3割以上が備えていると回答。しかし、最も備えの多い「懐中電灯やランタン」でさえ41%程度であった。
”物の備え以外”で3割を超えたのは「避難所・避難場所の確認」と「固定電話の契約」だけで、防災への備えは、脆弱であるといえるとのことだ。
【防災対策のきっかけや備えるもの】
「テレビや新聞などで防災・災害特集」や「実際の被災地の報道」を目にして、防災対策を行った人は多く、特に60代は「テレビや新聞などで防災・災害特集」がきっかけとなった人が多い結果となった。
片や、防災対策を行っていない人は、「何から始めればよいかわからない」「お金がかかる」「準備が面倒」という理由から、何も手を付けていなかった。
自由回答で災害時に準備しておいてよかったものと、備えておけばよかったと後悔したものを聴取したところ、双方とも、飲用水・食品・生活用水(特にトイレ用)やトイレットペーパー・紙おむつなどの紙類、乾電池や発電機、簡易トイレ、破損個所保護のためのブルーシートや作業時用の軍手などがあがった。
【防災訓練の必要性と参加経験】
防災訓練の必要性を感じているか尋ねたところ、「とてもそう思う」は16%、「そう思う計」は58%となった。直近1年間に防災訓練への参加は、「勤務先」で26%、「学校」で28%の経験はあるが、「地域」への参加は9%と低い結果に。
■調査概要
調査手法:インターネットリサーチ
調査地域:全国47都道府県
調査対象:20~69歳の男女
調査期間:2022年7月15日~7月17日
有効回答数:本調査2,500サンプル
<参考>
クロス・マーケティング『防災に関する調査(2022年)備え・実践編』