アジア航測とユーグレナは、ユーグレナの製造・販売するバイオジェット燃料(以下、SAF)「サステオ」(※1)を使用して、7月31日に3度目のフライトを行ったと発表した。
SAF燃料でのフライトは、東京都の運営する調布飛行場では今回が初の取り組みとなる。
アジア航測は、これまで同社保有の機体で2度のユーグレナが供給するSAF利用飛行を実施し、SAF利用に関する燃料管理や給油、点検等における作業手順や安全管理に関するオペレーションを確認してきたという。
今回のフライトは、アジア航測の受託業務において初のSAF利用で、岩手県遠野市の「森林資源計測業務」の一環として、同市の理解と協力を得て実現したとのことだ。
同業務は、森林のレーザ計測や航空写真撮影(※2)によって、遠野市内の森林情報(樹高や樹種など)を取得し、森林資源解析による森林情報の見える化と、森林の適正な維持管理のための「森林情報データベース」の作成を目的としているという。
森林が適正に維持管理されることで森林によるCO2吸収量の増加が期待できるが、従来のジェット燃料によるレーザ測量では、飛行によって大気中へのCO2排出を逆に増やしてしまう側面があった。同業務は、レーザ測量の航空燃料にSAFを導入することによる、CO2排出削減を目指す最初の取り組みになったとのことだ。
アジア航測でSAFを使用した運航は、今回で3度目となり、今後さらに航空測量でのSAF利用によりCO2排出削減に向けた対応を進め、長期的には全ての受託業務において定常的にSAFを利用することを目指しているという。
アジア航測は今後も航空レーザ計測等のリモートセンシング技術により、CO2吸収源である森林の情報を計測・解析することで持続可能な森林管理に貢献し、ユーグレナとしてもバイオ燃料「サステオ」の普及を進めつつ、航空業界全体でのカーボンニュートラルの推進をアジア航測と共に進めていくとしている。
※1 今回のフライトで使用したSAFは、原料に使用済み食用油と微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)由来の油脂を使用し、ユーグレナのバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントのBICプロセスにて製造、外部検査機関によるASTM D7566 Annex6規格への適合検査に合格したものを既存石油系ジェット燃料と混合した、環境負荷の低い燃料。
※2 アジア航測の森林計測技術について