ExpressVPNは、Pollfishと共同で、米国の1,500社の雇用主と1,500人の従業員を対象に、企業や従業員がメタバースで働くことをどのように考えているかを明らかにする調査を行い、結果を公表した。

■調査結果:技術の進歩は生産性を向上し、雇用主と従業員とのつながりを育んだ

2022年現在のExpressVPNの調査結果によると、調査対象の多くの従業員(60%)が、現在リモートもしくはハイブリッドで仕事をしており、この数字は増加の一途をたどる見込みとしている。

なお、調査では、79%の雇用主が将来的にハイブリッド(49%)、メタバース(12%)、リモート(11%)のいずれかのオフィスを計画していることが判明したという。

職場がリアルなオフィス以外の環境に移行しつつある中、従業員(90%)と雇用主(88%)の両方が、テクノロジーの進歩により、こうした環境でも生産性を高め、同僚とのつながりを改善できるようになったと感じているとのことだ。

仕事環境について

特に従業員は、同僚とのつながりを最も感じられるコミュニケーション手段として、ビデオ会議(27%)、対面でのミーティング(19%)、インスタントメッセージ(13%)、メール(13%)を挙げている。

ビデオ会議に関しては、雇用主は従業員と同意見である一方(32%)、メタバースに関しては、17%が雇用主が同僚とのつながりを維持するための2番目に良い方法と見なしているのに対して、従業員はわずか9%となった。

将来のテクノロジーの進歩に目を向けると、57%の従業員と77%の雇用主の両方がメタバースなどの没入型の仕事環境に興味を示しているが、雇用主の方が圧倒的に関心が高いことがわかる結果に。

ExpressVPNの調べでは、メタバースについて非常によく知っていると回答する割合が、雇用主が69%であるのに対し、従業員が42%と約2倍になっている。

■雇用主はメタバースに興奮と好奇心を抱いているが、従業員は不安と疑念を抱いていることが顕著

雇用主の大多数は、メタバースにおける仕事の未来に興奮を覚え(66%)、楽観的(54%)であると報告されたという。

一方、従業員はメタバースにでの仕事に、「不安」24%、「疑念」20%、「戸惑い」17%、と感じており、雇用主の前向きな姿勢と比較して、全体的に躊躇していることがわかった。

この熱意の違いは、メタバースが職場に与えるポジティブな影響について、従業員と雇用主に尋ねた際にも見られたという。

ExpressVPNの調査結果によると、68%の従業員と78%の雇用主の両方が、メタバースはおそらく創造性にプラスの影響を与えると回答。しかし、雇用主がメタバースがモチベーション(69%)や生産性(72%)にプラスの影響を与えると考えているのに対し、従業員はそれぞれ50%、54%にとどまったとのことだ。

【左】メタバースについてどう感じるか【右】メタバースが良い影響を与えることはどれか

メタバースで働く最大の動機については、45%の社員が「在宅勤務が可能になること」が最大の利点と答え、次いで「同僚とのコラボレーションが向上すること」が36%、「仕事の機会が増えること」が33%、「バーチャルに出張ができること」が33%となった。

■メタバースは、職場の監視を強化する機会となり、従業員の反発を招く可能性がある

ExpressVPNは、在宅勤務の増加に伴い、雇用主が従業員を監視する方法として従業員監視ソフトウェアが普及しているが、メタバースは監視活動の可能性をさらに高めることになるとしている。

既存の監視について目を向けてみると、73%の雇用主が現在従業員を監視していることを認めているが、現在の職場で監視されていると考えている従業員は、調査対象の55%に過ぎなかった。

職場の監視に関する従業員の懸念は、「リアルタイムの位置情報追跡」が51%、「リアルタイムの画面監視」が50%、「勤務時間の追跡」が47%で上位を占める結果に。

一方、雇用主はメタバースオフィスでの会議の録画(42%)や従業員が懸念する勤務時間の追跡(39%)、リアルタイムの位置情報の追跡(39%)、画面の監視(39%)に最も関心を示しているとのことだ。

この結果に対しExpressVPN副社長のHarold Li氏は、「多くの従業員が職場での踏み込んだ監視に否定的なことを考えると、雇用主はメタバースオフィスにおけるさらなる監視活動の実施を計画する際には慎重になり、従業員の信頼と満足度を損なう可能性があるかどうかを検討すべきです」と述べた。

職場でのオンライン監視

■Z世代はメタバースを職場として受け入れる可能性が最も高く、雇用主の監視やプライバシーを懸念する可能性は最も低い

労働力の中で最も若い世代であるZ世代は、メタバースの職場に入ることを最も望んでおり、それについて好奇心がある(53%)、興奮する(53%)、楽観的である(38%)と回答。また、Z世代はメタバースが自分の仕事のパフォーマンス(66%)と生産性(63%)に良い影響を与えると答える傾向にあるという。

一方、米国のベビーブーマー世代は、60%が「メタバースによって在宅勤務が可能になること」に最も関心を持っているのに対し、Z世代は36%にとどまったとのことだ。

メタバースが仕事に与えるプラスの影響について、それぞれの世代の考えkかかtかた方方

ExpressVPNの調査結果によると、ベビーブーマー世代(53%)、X世代(47%)、ミレニアル世代(46%)に対して、Z世代はメタバースにおける雇用主の監視(29%)やデジタルプライバシーとセキュリティ(40%)への懸念も最も低いという結果が出ている。

メタバース空間で働くことになる時期については、Z世代は今後2年以内に実現すると考えている人が最も多く(28%)、ベビーブーマー世代の42%はメタバースで働くことを想定していないことがわかったとのことだ。

メタバース環境での仕事は、いつ頃を想定しているか

【調査手法】
調査対象:米国内の1,500社の雇用主と1,500人の従業員
調査期間:市場調査パートナーであるPollfishと共同で、2022年4月から5月にかけて収集

<参考>
ExpressVPN『【調査結果】メタバースオフィス上での監視に不安の声