ENEOS、スズキ、SUBARU、ダイハツ工業株、トヨタ自動車、豊田通商の6社は、燃料を「つくる」プロセスでの効率化を研究するため、「次世代グリーンCO2燃料技術研究組合」を7月に設立したことを発表した。

カーボンニュートラルの実現には、多種多様な地域・利用者のニーズに対応するため、多様なエネルギーの選択肢を提供することが重要となるとしている。

再生可能エネルギー由来の電力を基にした水素や合成燃料、植物の光合成によりCO2を削減できるバイオエタノール燃料も有力な選択肢であり、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)においてもその有効性が確認されているという。

しかし、いずれの燃料においても、原料調達だけでなく製造工程におけるCO2排出量の低減や社会実装に向けた課題を明らかにし、その解決法を探索することが不可欠。

同研究組合は、カーボンニュートラル社会実現のため、バイオマスの利用、生産時の水素・酸素・CO2を最適に循環させて効率的に自動車用バイオエタノール燃料を製造する技術研究を進めるとのことだ。

「次世代グリーンCO2燃料技術研究組合」の取り組み

■取り組み概要

1.エタノールの効率的な生産システムの研究
食料と競合しない第2世代バイオエタノール燃料の製造技術の向上を目指し、生産設備を実際に設計・設置・運転し、生産面での課題を明らかにし、解決方法を研究するとともに、生産システムの効率改善を検討。

2.副生酸素とCO2の回収・活用の研究
水素製造時に副生成物として発生する高濃度酸素、および、バイオエタノール燃料製造時に発生するCO2の活用方法について研究。

3.燃料活用を含めたシステム全体の効率的な運用方法の研究
1で得られたバイオエタノール燃料を自動車等に使用した際の課題を明らかにし、解決方法について研究。また、原料栽培の生産量から製造される燃料量までを予測可能とするモデル式を検討。

4.効率的な原料作物栽培方法の研究
バイオエタノール燃料の原料確保のために、収穫量の最大化と作物の成分の最適化を目指し、最適な栽培方法を提案するシステムを開発。土壌の成分調査などを通じて、収穫量の予測精度の向上を目指す。