帝国データバンク(TDB)は、スリランカ民主社会主義共和国(スリランカ)に進出している日本企業の動向について調査を行い、結果を公表した。

スリランカに進出している日本企業の動向

調査の結果、スリランカに進出している日本企業は、2022年7月時点で180社と判明した。

進出先としては、スリランカ最大都市のコロンボ周辺に多く集中しており、業種別では、最も多いのが卸売業の48社で、全体の4分の1を占めている。

特に、スリランカ向けに中古車輸出を手掛ける「中古車卸」や、アフターパーツなどの自動車部品卸が多くみられたとのことだ。

次いでサービス業が38社、製造業が35社と続き、同国で進むインフラ開発を背景に道路舗装などの建設業も19社となり、割合も高かった。

総じて、スリランカ国内向けの販売拠点としての進出が多いものの、現地向け生産拠点や南アジア以西の流通拠点として進出するケースが多いとしている。

スリランカは、主力産業の一つである観光業がコロナ禍の影響で低迷しているほか、外貨不足や各種輸入制限などで燃料不足や電力不足が続くなど、経済危機が深刻化。

現時点では、輸出特区などでは電力の供給が続いていることから同国内での操業を続けている企業もあり、大きな影響はみられないという。

ただ、政情不安による不安定なビジネス環境の長期化は進出企業の事業戦略に影響を及ぼしかねず、事態の注視が求められるとのことだ。