エアコンの節電、「28℃」の意味を理解していたのはわずか9% 外気温によるオンオフ使い分けで節約に パナソニック調べ

パナソニックは、政府が7年ぶりの節電要請を行う今年の夏のエアコン節電状況を調査し、結果を公表した。

■調査結果

【約9割が今夏「節電したい」と回答も、エアコン節電方法に大きな勘違いアリ!】

今夏のエアコン節電について、「政府が、家庭や企業に対し、今夏の節電を要請していることを知っているか?」という質問では、86%が「はい」と答え、ほとんどの人が節電要請を認識していることがわかった。

さらに、電気代の上昇や節電要請から、今夏はより節電を意識したいかをたずねたところ、86%が「節電したい」「どちらかというと節電したい」と回答し、高い節電意向が明らかとなった。

今夏はより節電を意識したいか

しかし、調査の中で、政府が節電方法として呼びかけたエアコンの設定に関する「28℃」について、大きな誤解があることもわかったという。

この28℃をエアコンの「設定温度」と混同している人が多いが、あくまでも28℃は室温の話。「政府の節電要請で定める“28℃”とは次のうち何の設定だと思うか?」という質問では、正しく回答できたのはわずか9%のみという結果となった。

なお、室温28℃の指針を掲げる環境省のクールビズのHPでも、エアコンの設定に関する「28℃」について明示しているとのことだ。

政府の節電要請で定める“28℃”とは次のうち何の設定だと思うか?

エアコンは室内機内部のセンサーで温度を測定しているため、設定温度と実際の室温が異なっているケースもあり、家の構造や日当たりなども影響してくる。中には、エアコンの手入れ不足で能力が発揮できていないケースもあるという。

快適な空気環境を作るためにも、温度計などで室温を確認していただきながら室内温度を調整することが重要だとし、室内温度については、86%が自宅の室内温度を確認する方法があると回答しているが、一方で14%は「ない」と回答する結果となった。

自宅の室内温度を確認する方法があるか

【エアコンの風量設定「自動」と「微風」、消費電力が少ないのは「自動」!正しく回答できたのは6割】

続いて、エアコンの風量設定について「自動」と「微風」を比べた時に、消費電力が少ないのはどちらだと思うかを質問。

エアコンの風量設定は、環境にもよるが、微風にすると設定温度に至るまで時間がかかり、逆に消費電力が増えてしまうが、同質問に正しく回答できたのは約6割で、4割が誤解をしていることが明らかとなった。

なお、パナソニックの独自の調査では、「自動」と「微風」を比較したとき、「微風」は「自動」に比べて設定温度に到達するまでの消費電力が20%高く、到達するまでの時間が6.4分長いという結果も出ているとのことだ。

エアコンの風量設定について「自動」と「微風」を比べた時に、消費電力が少ないのはどちらか

【「つけっぱなし運転」派vs「こまめに消す運転」派どっちがお得?

エアコンは、こまめにオフにするより「つけっぱなし運転」の方がおトクになることがあるとも言われているが、これは、室内の温度が高いときにエアコンの運転をオンにすると、部屋を急速に冷やすために多くのパワーが必要になるためだという。

いったん室内を適温にすればつけっぱなしでも少ない消費電力でキープできるが、外出の度に運転をオフにしていては室温が外気温からの熱を受けて高温になるため、帰宅してオンするたびに「強運転」となってしまい、消費電力が増えてしまうとのことだ。

外気温によって使い分けることで節電に

冷房使用時において、住宅の断熱性、室内熱負荷などの環境によるものの、外気温が35℃以上の「猛暑日」のような場合は、室温が上昇しやすいため、「つけっぱなし」運転がお得だが、30℃程度までであれば、室内温度がそこまで上がらないため「こまめに消す」運転の方が電気代の節約につながることがわかったという。

外気温によって使い分けることで節電に

なおパナソニックは、フィルターにホコリがみっしり付いた状態で運転させるとモーターやコンプレッサーに負荷がかかってしまうため、「つけっぱなし」運転の場合でも24時間稼働は行わず、1日のうち数時間はエアコンを休ませ、自動そうじ機能や内部クリーンを活用するのがおすすめだとしている。

調査概要
調査地域:全国
調査期間:2022年6月22日~6月23日
調査方法:インターネット調査
調査機関:ジャストシステム
調査対象:20~60代の男女
有効回答:550名(男性:327名、女性:223名)

<参考>
パナソニック『2022年夏のエアコン節電に関する調査』

モバイルバージョンを終了