アイコムは、大規模通信障害などでキャリアの回線がつながらない状況でも使えるトランシーバー(無線機)を、インフラ設備の展示会「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2022」で披露すると発表した。
展示会は東京ビッグサイトで、2022年7月20日〜22日まで行われるとのことだ。
いま、あらゆる業務の現場で有効利用されている無線機。そのなかでも、携帯電話がつながる場所なら全国どこでも通話できるIP無線機(電話回線でつなぐ無線機)は、存在感を増している一方で、IP無線機は通信障害が発生すると通話できないという側面もあるとしている。
そんな中、アイコムは同イベントで、通信に必要なSIMカードをキャリア別に2枚挿せるIP無線機と、機器同士が直接電波をやり取りする旧来型の機能をIP無線機に搭載したハイブリッド製品、衛星通信を使って無線機同士をつなぐ製品を展示。いずれも緊急時に強いトランシーバーとのことだ。
ハイブリッド版は、IP無線機に、行政ほか公共性の高い事業者らが使用できる一般業務用無線機の機能を持たせた開発中の製品も展示するという。
展示予定製品
<1>2キャリアの切り替えが可能なデュアルSIM対応のIPトランシーバー
2枚のSIMを搭載することで、片方のキャリアに万が一のトラブルが起きたときもキャリアを切り替えて使えるデュアルSIM対応のIPトランシーバーIP502H。
<2>キャリア回線に頼らず、機器同士の直接通話ができるハイブリッドIPトランシーバー
キャリア回線を使った通話と、機器同士が直接電波をやり取りするレガシー型の通話のどちらにも対応したハイブリッドトランシーバーIP700シリーズ。
<3>地上のインフラが大きく損傷しても通話できる衛星通信トランシーバー
インフラの復旧に時間がかかる大災害時にも、地球を取り巻く衛星を経由させることで地上インフラの死活に関わらず一斉連絡できるSATTELITE PTT(衛星通信トランシーバー)IC-SAT100シリーズ。
<4>その他、航空用無線機器、スマートフォン用トランシーバーアプリ、リモートワークユニット、IPモバイル内線システムなど。
アイコムは、現在同社業界ではあらゆる状況下で「コミュニケーションを絶やさない」製品開発が求められているとし、万一に備える重要性と対応できる製品を同展示会で提案するとのことだ。