モデルナ、ワクチン候補「mRNA-1273.214」がオミクロン株2系統に強力な中和抗体反応を示す 新たな臨床データ発表

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メッセンジャーRNA(以下、mRNA)治療薬とバイオテクノロジー企業のモデルナは、新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)に対する2価追加接種ワクチン候補であるmRNA-1273.214に関する新しい臨床データを発表した。

なお、同資料の内容および解釈については、英語が優先されている。

初回接種ならびに1回追加接種が行われた被験者にmRNA-1273.214を50µg追加接種したところ、1か月後には過去の感染の有無を問わず、全ての被験者でオミクロン亜系統BA.4およびBA.5に対する強力な中和抗体反応が誘導されたという。

モデルナは、今回得られたデータとこれまでのデータに基づき、今後数週間のうちに規制当局へmRNA-1273.214の承認申請を行う予定とのことだ。

公表されたデータでは、mRNA-1273.214は、感染歴に関係なくBA.4/BA.5に対して、全ての被験者で試験開始前の5.4倍(95%信頼区間:5.0、5.9)、血清反応陰性被験者の小集団で6.3倍(95%信頼区間:5.7、6.9)中和抗体価を誘導。

また、BA.4/BA.5に対する中和抗体価は、過去に報告されたBA.1に対する中和抗体価の約3分の1であったとしている。

ただし、mRNA-1273.214の追加接種の1か月後でも、BA.4/BA.5に対する中和幾何平均抗体価(GMT)は、全被験者で941(95%信頼区間:826、1071)、血清反応陰性被験者で727(95%信頼区間:633、836)となったという。

なお、Spikevax(mRNA-1273)を追加接種ワクチンとして3回目接種に用いる場合について検討した試験結果では、対BA.1では629(95%信頼区間:526、751)、対デルタ株では828(95%信頼区間:738、928)のGMTが誘導されたとのことだ。

観察研究においても、Spikevaxの3回目接種により、デルタ株およびBA.1感染および重症化(入院)予防に対する有効性が示されているとしている。

本日公開されたデータは、今月初めに公表した約800人が対象の進行中第2/3相臨床試験の結果に加わるという。

過去の結果から、mRNA-1273.214の50µg追加接種は、Spikevax(mRNA-1273)50µgの追加接種と比較して、オミクロン株(BA.1)に対する中和幾何平均抗体価の優越性を含む、事前に規定されたすべての主要評価項目を達成している。

2価追加接種ワクチンの忍容性は概ね良好であり、反応原性および安全性プロファイルはSpikevaxの追加接種と一致。

モデルナはこれらのデータが、今秋の追加接種における、2価ワクチン(オミクロン株)mRNA-1273.214の有用性を裏付けていると考えているとしている。

なおモデルナは、すでに規制当局とこれらのデータを共有し、専門家による査読付き論文も投稿しているとのことだ。

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