ウェザーニューズは、この夏の電力需給ひっ迫の懸念を受けて、効果的な節電に役立てられるよう、天気アプリ「ウェザーニュース」(iOS版、Android版)にて『電力需給予報』を緊急公開したと発表した。
『電力需給予報』では、同社のエナジーフォーキャストセンターによる独自の電力需要予測と、電力会社から発表される電力の供給力のデータをもとに、国内の全電力エリア分の「電力ひっ迫度(電力使用率)」を時系列で予報。
電力需要予測は、長年電気事業者向けにサービスを行なってきた同社のデータ分析技術や需要予測の知見を活用して開発した、電力需要予測に特化した独自のAIモデルで算出しており、「ウェザーニュース」アプリのユーザーから寄せられる天気や体感の報告を活用することで、予測の精度を高めているとのことだ。
住んでいる電力エリアのひっ迫度合いが時系列で確認できるため、電力需給が特に厳しい時間帯がわかり、節電の際の参考にできるという。
2015年以来7年ぶりとなる節電要請がなされる中、今年は平年よりも暑い夏となる予想となっているという。適切な冷房の使用など熱中症予防は十分にしながら、『電力需給予報』を節電に役立ててほしいとしている。
全電力エリア分の電力需給の“ひっ迫度合い”が時系列で確認できる『電力需給予報』
政府は6月7日、この夏の電力需給が厳しいとして2015年以来7年ぶりとなる節電要請を実施。今週27日からは気温上昇に伴う家庭内や企業での電力需要が大幅に高まったことを受けて3日連続で東京電力エリアに「電力需給ひっ迫注意報」が発令され、節電が呼びかけられているという。
同社は、効果的な節電に役立てられるよう、「ウェザーニュース」アプリにて『電力需給予報』を緊急公開。
『電力需給予報』では、同社のエナジーフォーキャストセンターによる独自の電力需要予測と、電力会社から発表される電力の供給力のデータをもとに、国内の全電力エリア(計10エリア)ごとの「電力ひっ迫度(電力使用率)」を予報。
電力使用率(需要/供給力)が高いほど、電力の予備率が小さく電力需給がひっ迫した状態となる。電力需給のバランスが崩れると電力の安定供給ができなくなり、最悪の場合は大規模停電に繋がる。電力会社はそれを防ぐために計画停電などを行うこともあるとのことだ。
『電力需給予報』では、住んでいる電力エリアのひっ迫度合いが時系列で確認できるため、電力需給が特に厳しい時間帯がわかるという。
同予報は誰でも無料で利用可能。同社は、厳しい暑さが予想されるこの夏、適切な冷房の使用など熱中症予防は十分にしながら、無理のない節電に役立てるよう呼びかけている。
独自の気象・体感データとAI技術で、より高精度な電力需要予測を実現
『電力需給予報』では、同社のエナジーフォーキャストセンターによる電力需要予測データを用いているという。エナジーフォーキャストセンターでは、国内10電力エリア毎に最適化された電力需要予測に特化した独自のAIモデルを活用し、毎日、全電力エリアに対して需要予測を行っている。
長年電気事業者向けにサービスを行なってきた同社のデータ分析技術や需要予測の知見を活用し、電力会社が保有する電力消費実績データと同社の気象データを過去数年分学習させて構築したAIモデルに、最新の電力データと気象データを30分毎に取り込むことで電力需要を算出。
さらに、電力の消費量は人の体感に大きく左右されるため、「ウェザーニュース」アプリのユーザーから寄せられる1日約18万通の天気や体感の報告を活用することで、予測の精度を高めているとのことだ。
今回、この夏の電力ひっ迫の懸念を受け、エネルギー気象チームのデータ、ノウハウを集約することで、一般の人も利用できる『電力需給予報』の提供が可能に。
同社では今後も、保有するデータや技術、ユーザーから寄せられる情報を積極的に活用し、皆さまの生活に役立つ情報提供に取り組んでいくとしている。
企業向けに電力需要予測サービスを提供
同社では1990年代に電力会社の業務を支援する電力気象サービスを開始して以来、30年に渡って電力想定のサポートを行っており、今年6月にはエネルギー市場に特化した「エナジーフォーキャストセンター」を立ち上げ、電力の需要予測や発電量予測の飛躍的な精度向上と新たなサービス開発に、より一層力を入れているという。
電気事業者に対しては需給計画を支援する「電力需要予測サービス」を提供しており、今回提供を開始したアプリの『電力需給予報』にも、その予測が活用されている。
また、電力市場向け気象データセット「WxTech®️ for Energy」も揃えており、これは日射量や気温など電力需給計画のもとになる気象データをパッケージ化し、電力取引時間にあわせた30分単位で提供するサービス。MSM(気象庁)よりも予測精度が高い気象データを1kmメッシュの高解像度で提供することができる。
企業の需要予測システムに気象データを取り込むことで、より高精度な需要予測が可能になります。