Hondaは、持続可能な航空燃料(SAF)の安全性を評価し、規格化を支援する国際団体であるFAA/OEM Review Panelへ2022年6月に加入したと発表した。

同団体へ加入したメーカーとしては、アジア初となる。

SAFは、植物や廃棄物など化石由来ではない原料または持続可能な原料から生成され、従来のジェット燃料に対してCO2排出量を削減できることから、航空領域でのカーボンニュートラル実現に向けて重要な役割が期待されているという。

一方、SAFの使用にあたっては、FAA/OEM Review Panelの参加企業によって機体やエンジンへの安全性が評価され、米国材料試験協会(ASTM)の規格として制定される必要があるという。

Hondaは、今回の加入により、新たに開発されたSAFについて他の参加企業とともに各種試験データのレビューを通じて安全性を評価し規格化を支援することで、SAFの安全性と普及に貢献していくとのことだ。

Hondaは、サステナブルな社会の実現に向けて2050年にHondaの関わる全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルを全社目標として掲げている。

航空領域では、ガスタービンと電動化技術による環境に優しい新たなパワーユニットの開発に加え、化石燃料に代わるカーボンニュートラル燃料およびCCUS技術の活用に関する研究を行っているという。

今後は、独自の取り組みだけでなく、世界各国の企業や団体と連携を図りながら技術を進化させ、社会実装していくことでカーボンニュートラル実現を目指していくという。

FAA/OEM Review Panel 概要

FAA・機体メーカー・航空エンジンメーカーで構成され、SAFの機体やエンジンへの影響を評価している国際組織。現時点の参加企業は下記の通り。
Boeing、Airbus、Dassault、Embraer、De Havilland、Bell Helicopter、Bombardier、Sikorsky、General Electric、Pratt & Whitney、Rolls-Royce、Honeywell、Safran、Honda

Hondaの航空事業 概要

Hondaは、1986年に航空機および航空機エンジンの研究を開始。機体においては、独自のエンジン配置構造などを採用した小型ビジネスジェット機「HondaJet」を開発。航空機エンジンにおいては、独自で開発した「HF118」エンジンをベースにゼネラル・エレクトリック社(GE)と共同開発された「HF120」を生み出したという。

機体とエンジンの革新的な技術により、クラストップの燃費・環境性能を達成し、飛行に伴う環境負荷の低減に寄与してきたという。

HF120が搭載されたHondaJetは、現在デリバリー数200機以上、総飛行時間10万時間以上に達している。