ZIPAIR、国際線4路線に「食用コオロギ」使用メニューの機内食を提供開始 7月1日より

徳島大学発のベンチャー企業として、食用コオロギに関連する品種改良・生産・原料加工・商品開発・販売を一貫して国内で行うグリラスは、ZIPAIR Tokyo(以下、ZIPAIR)の販売する機内食メニューの食品原料として、国産食用フタホシコオロギを粉末化した自社商品「グリラスパウダー」を提供開始すると発表した。

グリラスパウダーを使用した「トマトチリバーガー」と「ペスカトーレ」の2種のメニューは、ZIPAIRの運航する国際線4路線にて搭載され、2022年7月1日より事前購入が開始されるとのことだ。

また、機内食への食用コオロギの導入は国内初(グリラス調べ:2022年6月22日時点)の事例となるとしている。

今後もグリラスは、事業パートナーとの連携を拡大し、国内外に向けて環境負荷の低い新たなタンパク源としての食用コオロギの普及を目指すとしている。

また、食品ロスを餌に活用した食用コオロギを提供していくことで、「タンパク質危機」と「食品ロス」の2つの社会課題の解決を目的とした企業活動を進めていくという。

対象路線

・東京(成田)=シンガポール線
・東京(成田)=バンコク線
・東京(成田)=ロサンゼルス線※
・東京(成田)=ホノルル線※
※往路便のみ搭載

食用コオロギ関連事業の背景について

2019年6月に国連より発表された報告書によると、今後30年で世界人口は77億人から97億人への増加が見込まれ、これに伴う食料問題への対応が喫緊の課題となっている。

特に動物性タンパク質の不足は顕著であり、その解決策としてFAO(国際連合食糧農業機関)は昆虫食を推奨しており、昆虫は既存の畜産と比べてタンパク質の生成に必要な餌や水の量が少なく、限りある資源の有効活用が可能。また温室効果ガスの排出量も少なく、環境負荷の低いタンパク源といえるとのことだ。

一方で世界では年間約9.3億トンの食品ロスが発生しており、その量は全世界で生産されている食品の約3分の1に相当。コオロギは雑食性を持つため餌の制限が少なく、グリラスでは食品ロス由来100%の餌でコオロギの飼育を行っているという。

これらの特徴からグリラスは、捨てられるはずの食品ロスを新たなタンパク質へと循環させることのできる食用コオロギを“サーキュラーフード”と位置付けて、食用コオロギ関連事業を行っているとのことだ。

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