NTTデータ経営研究所のニューロイノベーションユニットと、Shureの日本法人、シュア・ジャパンは、共同でオンライン会議で行き交うデジタル音声の音質の違いがもたらす生体ストレス反応への影響を検証する実証実験を実施し、その結果および考察をホワイトペーパーにまとめ発表した。
NTTデータ経営研究所のニューロイノベーションユニットとシュア・ジャパンは、常態化している日々の「疲労感」や「会議内容の理解不足への不安感」の要因解明に向け『オンライン会議の音質が生体ストレス反応に与える違い』を検証したとのことだ。
実証実験の結果として確認された主な影響は、以下となった。
1.音質が悪い会議では、内容が理解されないだけでなく、参加者にストレスを与える。
2.ストレスの原因として、特に認知機能に対する負荷が高まる傾向があり、これが継続すると認知機能が低下し、理解力や判断力、反応のスピードといった会議参加にとって重要な能力が鈍くなることが考えられる。
3.内容が理解できないことによるストレスは会議後半にかけて蓄積されていく。
なお、今回の実証実験を指揮した、NTTデータ経営研究所のニューロイノベーションユニットの磯村 昇太氏は、次のようにコメントした。
「オンライン会議にまつわる研究や調査はここ数年で増えていますが、会議の音質とストレスの関係について直接言及しているものはそう多くはありません。今回、シュア・ジャパンと共同で実証実験を行うことで、オンライン会議の音質がもたらす、無視することのできないレベルのストレスの存在が証明されました。
現場の生産性を高めたり、従業員にとってベストな働く環境を用意したりすることは、経営戦略の中核ともいえます。オンライン会議の音質は、経営層が今後注目すべき重要な要素であると言えるでしょう」
また、シュア・ジャパンのインテグレーテッドシステムズ シニアディレクターの大友裕己氏は、次のようにコメント。
「オンライン会議設備について弊社にお問い合わせいただく企業や行政、教育機関の皆さまからも、オンライン会議後の疲労感に関するお話は幾度もお伺いしてきました。
今回、NTTデータ経営研究所のニューロイノベーションユニットの皆様と実証実験を行うことで、その疲労の正体を突き止めることができ、大変うれしく思います。同時に、皆様からのご期待にお応えするため、いかなる会議環境においても明瞭な音声を実現するためのテクノロジーを生み出し続けるという弊社の取り組みが正しいものだとの確信を強めました。
Withコロナ時代、対面とオンラインを併用したハイブリッド会議という形態は、今後も確実に増加すると予測されます。空間規模や会議の目的に合わせて、適切な会議用音響システムを選定・利用することが、参加者のストレスを低減させるだけでなく、生産性の向上にも貢献することになります」