三井石油開発(以下、MOECO)と東京電力リニューアブルパワー(以下、東電RP)は、主に関東地域を対象として、新たな熱回収技術を適用した地熱発電事業に関して共同で検討することに合意したことを発表した。

MOECOと東電RP、新たな熱回収技術を適用した地熱発電事業で共同へ

同新技術は、地下から熱水や蒸気を直接的に取り出して発電を行う従来型地熱発電と異なり、地下の高温岩体層に井戸のループを形成し、地上から水などを循環させることで、地下の熱のみを回収して発電を行う方式だという。

従来型地熱発電における地下の必要条件となっている透水性(水の通り道となる亀裂部)を必要としないという特長により探査難易度を下げ、調査期間および開発までのリードタイムを縮減。さらに、地下から直接的に蒸気・熱水を採取しないことにより、環境負荷を軽減できるというメリットもあるとのことだ。

新技術の坑井イメージ

共同検討では、MOECOが長年の石油・天然ガス資源開発で培った地下資源の評価・開発に関する知見・技術力と、東電RPの持つ発電所建設・運営の知見・技術力、および自治体や住民との信頼関係構築力を持ち寄り、今後、数年かけて調査対象候補地域を選定し、早ければ2025年の調査着手、その後の商業化を目指す計画としている。

同新技術は、従来型地熱発電では難しい地域での開発が可能となる点においても、地熱発電のゲームチェンジャーとなり得る可能性を秘めているという。

MOECO東電RPは、世界第三位と言われる日本の地熱資源の有効活用に向け、早期の実用化を目指すとともに地域経済の活性化にも貢献していくとのことだ。