ポストコロナの部屋選び、平均家賃は7,086円アップ 「ライフスタイルに合うか」重視の傾向に ハウスコム調べ

ハウスコムは、コロナ前後の賃貸物件選びの変化を明らかにし、多様化するライフスタイルと住まいの実態を把握するため、全国の「ポストコロナ」(2021年4月以降)と「コロナ前」(2010年~2019年)の賃貸物件への引っ越し経験者それぞれ約600人を対象に「部屋選びとライフスタイルに関する調査」を実施し、結果を公表した。

■在宅時間の増加を受け、部屋の設備や間取りにお金をかける人が増加。平均家賃はコロナ前より7,086円アップ

引っ越しをした(する予定の)賃貸物件のスペックについて聞いたところ、「間取り」は「1K」(ポストコロナ24.1%、以下同)を約4人に1人が回答し、最も多くなったという。

「階数」は「2階」が39.5%で約4割と一番人気で、コロナ前より3.9ポイント増加。また2位の「1階」は19.1%で2割が回答する結果となった。

「家賃」は平均「70,999円」でコロナ前の63,912円より7,086円増加。「部屋の設備」の導入率については「独立バス/トイレ」が73.7%でコロナ前より5.8ポイント増加し、「フローリング(65.8%)」や「バルコニー/ベランダ(60.3%)」を選ぶ人も増えているという。

築年数は平均「14.96年」でコロナ前より1.18年浅く、新しい物件が以前より好まれているとし、在宅時間の増加を受けて、より快適な住環境を求めて設備や間取りにお金をかける人が増えているといえそうだと同社は考察している。

賃貸物件のスペック

■コロナ前よりも「街の雰囲気」を重視する人が増加

引っ越しを検討する際に重視した(している)項目の1位は「家賃」で72.0%となった。

コロナ前と比較し特に「街の雰囲気」が35.1%で10.2ポイント、「最寄り駅の路線/交通アクセス」が51.4%で8.8ポイント、「水回りの設備の充実」が20.1%で7.2ポイントの増加が見られたとのことだ。

引っ越しを検討する際に重視した(している)項目

■ポストコロナの引っ越しは、「広い部屋」「好きな街」に住むことをより重視

引っ越しを検討する際の考え方について聞いたところ、「物件は単純なスペックではなく、自分のライフスタイルに合っているかで選ぶ」(「とてもあてはまる」「ややあてはまる」の合計:84.0%)は、コロナ前より7.8ポイント増加する結果に。

「学校や会社から遠くても広い物件に住みたい」は8.8ポイント増加し、コロナ禍を経て利便性だけでなく、ライフスタイルや広さに余裕がある物件に住むことを重視する人が増えていることがわかったという。

また、「家賃が高くても自分の好きな街に住みたい」も4.2ポイント増加しており、好きな街に住むことを優先したいと考える人が増えた結果が、平均家賃の増加にも影響をしていると考えられるとのことだ。

引っ越しを検討する際の考え方

■コロナ前より、夜間利用やテイクアウト可の飲食店・スポーツジム・銭湯の需要が増加

家の周辺環境について、「あってほしい」と思う施設や場所を聞いたところ、「スーパー」が75.8%、「コンビニ」が69.7%、「ドラッグストア」が64.5%となり、近所で日用品の買い物ができることが重要だと考える人が多い結果となった。

一方コロナ前と比較すると「夜間営業している飲食店」は22.5%で6.2ポイント、「テイクアウトができる飲食店」は32.0%で6.0ポイント、「スポーツジム」は15.9%で6.1ポイント、「銭湯・サウナ」は22.7%で5.2ポイント増加したとのとだ。

家の周辺環境について、「あってほしい」と思う施設や場所

■多様化する物件探し、「内見」した物件数は「コロナ前」より微増

物件探し中の「内見数」についてコロナ前後で比較すると、内見の平均回数はコロナ前2.71回に対し、ポストコロナでは2.84回と増加し、コロナ禍でも内見を希望する人が多いことがわかった。

一方、コロナ前の内見に行った件数は「3件」が24.9%で最も多かったのに対し、ポストコロナでは「1件」が25.3%で最多となり、物件数を絞って内見に臨む人も同様に増えているとのことだ。

物件探し中の「内見数」

また、「オンライン内見」については経験率が42.3%で、コロナ前より11.4ポイントと大幅に増加し、内見平均回数もコロナ前の「2.80回」から「3.05回」に増加と、「オンライン内見」で自宅から自由に気になる物件をチェックするというスタイルも定着しつつあるようだと同社は考察している。

「オンライン内見」について

【調査概要】
調査期間:2022年4月29日~5月1日
調査機関:ディーアンドエム
調査方法:インターネット調査
調査対象地域:全国
(1)<ポストコロナ層>
1年以内(2021年4月以降)に賃貸物件に引っ越したことがありその際自身で物件選びをした(580人)および今後1年以内に自身で物件選びを行って賃貸物件に引っ越す予定がある(13人)15~49歳の男女、計593人
(2)<コロナ前層>
コロナ前(2010年~2019年)に賃貸物件に引っ越したことがあり、その際自身で物件選びをした経験がある15~49歳の男女、計579人

<参考>
ハウスコム『部屋選びとライフスタイルに関する調査

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