コスモ石油は、ブルーアンモニア(※)のサプライチェーン構築に向けた知見の蓄積を目的に、アブダビ首長国で製造されたブルーアンモニアについて、アブダビ国営石油会社(以下「ADNOC」)と売買契約を締結したことを発表した。
同売買契約の締結により、Fertiglobe社(ADNOCとオランダOCI社の合弁会社)が既存のアンモニア製造設備において、製造時に排出されるCO2を分離・回収して地層に貯留することでブルーアンモニアとして試験的に出荷する製品を、コスモ石油が購入。
コスモ石油はブルーアンモニアをISOコンテナで日本に輸送し、自社事業所で使用する予定としている。
アンモニアは水素の輸送・貯蔵手段(媒体)として有望な候補であり、また燃焼時にCO2を排出しないことから、脱炭素社会に向けた次世代エネルギーとして発電や船舶燃料などで活用されることが期待されているという。
コスモエネルギーグループは、半世紀以上にわたりアブダビ首長国においてADNOCと協働し、安全で安定的な原油開発・生産のみならず、環境施策や地域社会への貢献策などにも取り組み、多層的な関係を構築。
2022年3月にはADNOCと、脱炭素化に貢献する技術の模索およびアブダビ首長国におけるCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)/CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)の実行可能性を評価するための共同調査を開始することに合意し、覚書を締結しているという。
コスモエネルギーグループは、第6次連結中期経営計画(Oil & New)に基づき、石油事業の収益力および財務基盤の強化を行いつつ、再生可能エネルギー等の成長事業への投資を進めることで、将来の脱化石燃料を見込んだ事業ポートフォリオの拡充を促進。
加速する脱炭素化に向けて、今後もADNOCをはじめとしたアブダビ企業との強い信頼関係を基に、水素やアンモニア等の脱炭素分野での協業について検討していくとのことだ。
(※)ブルーアンモニア
化石燃料由来であるが、製造時に排出されるCO2を分離・回収し、大気へのCO2排出を抑制して製造されたアンモニア。