帝国データバンクは、令和に設立された全国の企業について、設立時期や所在地、業種、代表の年齢などについて分析を行い、結果を公表した。
■令和に生まれた企業は39万8749社、月別最多は「令和3年4月」
令和になって新設された企業は2022年4月末時点で全国に39万8749社確認された。年別でみると、令和3年の2021年が14万4178社で最多に。
設立年月別では、「令和3年4月」が1万4527社で最も多く、最少は「令和2年5月」（7486社）となった。
最多となった「令和3年4月」は、コロナ禍となって約1年が経過し、この間に設立が見送られていた案件やコロナ禍で変化した生活スタイルや需要に伴う新規事業の立ち上げが、4月の事業年度開始に合わせて動いたことが大きな要因とみられるという。
最少となった「令和2年5月」は、国内初となる緊急事態宣言の発出（2020年4月）に伴って人の動きが大きく制限されたことで会社設立を見送るケースが増えたり、官公庁における会社設立のための手続きが通常通り進まなかったりしたことが大きな要因と同社は考察している。
■東京都が全体の約3割を占める
エリア別にみると、「関東」が19万2141社（構成比48.2%）で最も多く、「関西」（6万7605社、同17.0％）、「中部」（4万951社、同10.3％）、「九州・沖縄」（3万9946社、同10.0%）が続いた。
都道府県別では、「東京都」が11万9308社（構成比29.9％）で最多となり、次いで「大阪府」が3万8357社（構成比9.6％）、「神奈川県」が2万5719社（構成比6.4％）、「愛知県」が2万505社（構成比5.1％）と続き、上位4都府県で全体の51.1%（20万3889社）と過半数を占める結果となった。
■新設企業の約3割が「サービス業」、コロナ直撃の「飲食店」は減少傾向
業種が判明した3万7270社をみると、大分類では「サービス業」の1万2304社（構成比33.0%）が最多に。なかでも、「専門サービス業」に含まれる経営コンサルタント業者の1261社や「広告・調査・情報サービス業」に含まれる受託開発ソフトウェア業者の924社などの新設が目立ったという。
続いて、「建設業」が1万1023社（構成比29.6%）、「小売業」が3994社（構成比10.7％）の倒産が多かったとのことだ。
さらに細かく分類した中分類でみると、上位は「職別工事業」で5144社（構成比13.8％）、「総合工事業」が3004社（構成比8.1%）、「設備工事業」が2875社（構成比7.7%）と続き、工事業が上位を占めた。
新型コロナの影響を大きく受けた「飲食店」は、令和元年の2019年（5月～12月）で434社、令和2年の2022年は329社、令和3年の2021年は116社と年々減少傾向となっている。
■社長の平均年齢は47.8歳、全国平均を12.5歳下回る
社長の年齢が判明した1万9437社の社長の平均年齢は47.8歳となり、2021年の全国・全業種の平均年齢（60.3歳）を12.5歳下回ったという。
年代別にみると、「40代」6451社（構成比33.2％）が最も多く、「50代」4531社（構成比23.3％）、「30代」4158社（構成比21.4％）、「60代」2246社（構成比11.6％）と続き、40代未満が全体の59.5％を占める結果となった。
＜参考＞
帝国データバンク『令和に⽣まれた企業の動向調査』