ゼンリンは、ゼンリンが発行する住宅地図の無断複製・頒布等を繰り返し行っていたポスティング会社とその代表者に対する著作権侵害差止等請求訴訟を提起していたが、2022年5月27日、東京地方裁判所において、住宅地図商品は「著作物」に該当すると認定され、同社に対し侵害行為の差止等を命じる勝訴判決を得たと発表した。
■同訴訟の概要
2018年、ゼンリンの住宅地図商品である住宅地図帳及び電子住宅地図デジタウンの印刷物に関し、ポスティング会社による大量の無断複製の疑いが確認された。
その後、複数回に渡って、複製利用状況に関する情報開示と過去分の複製利用料の支払いを求めきたが、いずれの求めにも応じなかったため、2019年9月30日、同社に対し侵害行為の差止等を求める訴訟(東京地方裁判所令和元年(ワ)第26366号)を提起したという。
■東京地方裁判所の判決の内容
東京地方裁判所において、同事件の主要な争点であった同社住宅地図商品の著作物性が認定され、「住宅地図に必要と考える情報を取捨選択し、より見やすいと考える方法により表示したものということができる。
したがって、作成者の思想又は感情が創作的に表現されたもの(著作権法2条1項1号)と評価することができるから、地図の著作物(著作権法10条1項6号)であると認めるのが相当である。」との判決を得たという。
これにより、侵害行為の差止及び損害賠償金並びに遅延損害金の支払が命じられたとしている。
同社は、住宅地図をはじめとした地図情報の提供を通じ、社会課題の解決や安全・安心な社会の実現に貢献することが、私たちの社会的責任・公共的使命であると考えているという。
創業以来この企業理念に則り、社員の創意工夫を積み重ねて社会に役立つ地図商品の開発を行ってきた。
同社は今後も、著作権侵害行為に対しては引き続き厳格に対応すると共に、こうした活動を通じて、人びとの生活に貢献する地図商品の提供と商品価値向上に努めていくとのことだ。