積水ハウスは、2030年までに事業活動で排出するCO₂排出量の削減目標を、従来の50%から75%に上方修正すると発表した。

積水ハウスグループでは、2008年に、2050年までに住まいからのライフサイクルCO₂排出ゼロを目指す「2050年ビジョン」を宣言し、事業活動全体において、再生可能エネルギーの利用も含めてCO₂削減のためのさまざまな取り組みを開始しているという。

同社グループは、この目標達成へのマイルストーンとして、2030年までに企業が自社で直接的に排出するスコープ1と電力など間接的に排出するスコープ2におけるCO₂排出量を2013年度比で50%削減することを目指してきた。

2021年度実績で46.6%削減を達成したことを受け、今回、この目標を75%削減に上方修正し、世界の気温上昇を産業革命前と比べ1.5℃以内に抑える目標に整合させるとしている。

この目標を実現するために「2030年までに全ての業務用車両の電動化」や「同社の活動拠点として同社で新築する建築物のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化」、卒FITのオーナー様から太陽光発電の余剰電力を買い取り、RE100を目指す「積水ハウスオーナーでんき」の取り組みなどを推進していくとのことだ。

積水ハウスは“「わが家」を世界一幸せな場所にする”というグローバルビジョンのもと、「ESG経営のリーディングカンパニー」を目指しているという。

現在サプライチェーンも含めた脱炭素にも着手しており、事業全体の脱炭素化や、住まいのライフサイクルにおけるCO₂ゼロへの取り組みを加速し、持続可能な社会の構築に貢献していくとしている。

事業活動で排出するCO₂排出量の削減に向けた主な取り組み

■業務用車両の100%電動化を推進

同社は事業所の営業活動や、カスタマーズセンターのアフターサポート対応などを目的として、現在グループ全体で業務用車両を約1万1千台保有している。その業務用車両によるCO₂排出はスコープ1,2合計の約3割にあたるとのことだ。

そこで、2030年までに業務用車両の100%電動化の達成を目指すとしている。このために、ハイブリット車を始めとする電動車の導入を積極的に行い、現在約7%の電動化率を計画的に上げていくという。

2022年2月から電気自動車のパイロット導入にも着手し、その普及に向け、電気自動車の充電・航続マネジメント、走行効率の検証等を行っている。

■同社の新築建築物のZEB化

同社はZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)などの住宅事業で培ったノウハウを生かし、事務所などの非住宅分野でも建物の快適性、省エネ性、災害レジリエンス性を高めるZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の建設を推進している。

2018年に同社の建築物で初となる「Nearly ZEB」基準を満たす事務所ビル「積和建設東北 事務所棟」を竣工(一次エネルギー消費量77%削減)。

2021年6月から同社の活動拠点として新築する建築物については原則ZEBの基準を満たすものとしており、2022年4月末時点で、グループで8棟のZEBを竣工済、5棟を計画中であるとのことだ。