ナビタイムジャパンの交通データ事業は、ゴールデンウィークにおける経路検索数や目的地の変化を分析し、発表した。

同分析では、2019年から2022年のゴールデンウィーク(各年ともに4月29日~5月5日)を対象に目的地検索数等の変化を検証。

なお、同分析はナビタイムジャパンが提供する各種ナビゲーションサービス(『NAVITIME』、『カーナビタイム』他)から同意を得て取得した経路検索条件データ(検索履歴データ)を活用しているという。

分析内容

① 経路検索数の変化(交通手段別):自動車は9割、公共交通は7割程度に回復傾向

ナビタイムジャパンが提供するナビゲーションサービスの経路検索条件データを元に、交通手段別(自動車/公共交通)の検索件数を集計。2019年ゴールデンウィーク(2019年4月29日~2019年5月5日)の検索数を100とした時の年次の検索数の変化をグラフで示している。

2020年のゴールデンウィークは緊急事態宣言中ということもあり、自動車および公共交通の検索数は2019年の検索数と比較し2~3割に減少。2021年のゴールデンウィークは2020年同様緊急事態宣言中ではあったものの、検索数は増加傾向となり、2019年の検索数と比較し5割程度まで回復。

今年のゴールデンウィークは緊急事態宣言が発令されていない中での長期連休ということもあり、自動車および公共交通の検索数がそれぞれ2019年の9割、7割程度まで回復していることから、コロナ禍前の水準に戻りつつあることが分かるとのことだ。

② 経路検索数の変化(ジャンル別):「スポーツ」「ショッピングモール/商店街」の検索数が7割程度まで回復

ナビタイムジャパンが提供するナビゲーションサービスの経路検索条件データを元に、目的地の検索数をお出かけに関する5つのジャンル「歴史/文化/見学」「生活雑貨/日用品」「スポーツ」「ショッピングモール/商店街」「レジャー/アウトドア」ごとに集計。

2019年ゴールデンウィーク(2019年4月29日~2019年5月5日)の検索数を100とした時の年次の検索数をグラフで示しているという。

2020年のゴールデンウィークは緊急事態宣言中ということもあり、「生活雑貨/日用品」以外のジャンルは2019年と比較し大きく減少している。「スポーツ」の検索数が他ジャンルと比べ減少幅が小さいのは、密をさけたアクティビティとしてゴルフ場の検索が多かったことが影響しているとのことだ。

今年のゴールデンウィークは緊急事態宣言が発令されていない中での長期連休ということもあり、「スポーツ」「ショッピングモール/商店街」の検索数が7割程度まで回復していることが分かる。

「スポーツ」ではプロスポーツの試合観戦における上限人数撤廃によるスタジアムの検索増加、「ショッピングモール/商店街」ではアウトレットの検索が多かったことから、回復が早かったと考えられるとのことだ。

③ 目的地検索ランキング(交通手段別):自動車、公共交通共に「善光寺」の検索が大幅に増加

ナビタイムジャパンが提供するナビゲーションサービスの経路検索条件データを元に、目的地として検索された人気スポットを交通手段別(自動車/公共交通)に集計し、2019年から2022年のゴールデンウィーク(各年ともに4月29日~5月5日)の検索をランキングにしたという。

自動車利用の検索では、2020年のゴールデンウィークは、20位中13件が「生活雑貨/日用品」に関する大型商業施設で、一方、2021年のゴールデンウィークは、自動車でアクセスしやすいアウトレットなどのショッピングモールや、「国営ひたち海浜公園」「あしかがフラワーパーク」「マザー牧場」など、季節的にも人気な屋外スポットが多く検索されていたとのことだ。

今年のゴールデンウィークは20位中15件が2019年にランクインしているスポットとなっていることから、コロナ禍前の検索傾向に近づいていることが分かる。

また、2021年は47位だった「善光寺」が3位にランクインしているが、これは7年に1度の盛儀である御開帳が開催されている影響と考えられるという。

公共交通利用の検索では、2020年は2019年にはランクインしなかった「生活雑貨/日用品」に関する大型商業施設、2021年はアウトレットなどのショッピングモールが多く検索されていることが分かる。

今年のゴールデンウィークは、「羽田空港国内線旅客ターミナル」が最も多く検索されており飛行機を利用する旅行に出かけた方が多かったと考えられ、また、「東京ドーム」「ナゴヤドーム」などのスタジアムや「東京ビッグサイト」「幕張メッセ」などのコンベンション施設が多く検索されており、コロナ禍におけるスポーツ観戦やイベント開催条件の緩和による影響が伺えた。

なお、自動車同様に「善光寺」の検索も2021年の52位から8位にランクインしている。

④「善光寺」とともに周遊されやすいスポット分析(自動車):「松本城」や「戸隠神社」と周遊傾向

ナビタイムジャパンが提供するナビゲーションサービスの経路検索条件データを元に、今年のゴールデンウィーク(2022年4月29日~2022年5月5日)で検索が多い「善光寺」に着目し、「善光寺」とともに周遊されやすいスポットを分析。

具体的には、「善光寺」を目的地として検索した自動車利用のユーザーを対象に、「善光寺」以外のスポットを目的地として設定した検索数を集計し、「善光寺」と関連が強いスポットを分析している。

赤色の線が濃くて太いほど「善光寺」との関連性が強いことを示しており、「松本城」「戸隠神社」が「善光寺」と合わせて観光されやすいと考えられるという。

また、「善光寺」と向かい合うように本堂が北を向いていることから由来となっている「北向観音」の関連性が出ており、御開帳に合わせて訪問されていると推測されるとのことだ。