北海道電力と三菱商事は、2021年11月に「道南水力発電」設立し、北海道道南地域において「水力発電所アライアンス事業」(以下、同事業)を実施していたが、2022年3月に三井住友信託銀行および北洋銀行と融資契約を締結し、プロジェクトファイナンス(以下「PF」)による融資を受けたことを発表した。
水力発電は、ダムや導水路、発変電機器などの設備を広範囲に亘って設置することから、設置に必要な権利や事業に必要な関係許可等が多岐にわたるため、金融機関による事業性判断が難しく、PFによる融資を受ける事例は僅少だという。
北海道電力と三菱商事は、それぞれが有する水力発電事業とPFに関する知見を活かし、金融機関と協議を重ねた結果、同事業の事業計画が高く評価され、PFによる融資が実現したとのことだ。
今後、道南水力発電は、導水路等を北海道電力からリースを受け、既存設備の有効活用を図った上で、順次老朽化した設備のみリプレース工事を行い、その後の発電事業を行っていくとしている。
同事業において、北海道電力は、これまでと同様に地域とのコミュニケーションを図りながら、培ってきた豊富な水力発電所の保守・工事・運営に関する知見を活用して水力発電所のリプレース工事対応、工事後のメンテナンスを実施。
なお、三菱商事は、国内外で有する豊富なPFによる発電事業のノウハウを活用して道南水力発電の効率的な経営・事業運営、各種契約管理、PFの資金調達管理などを行うという。
両社は、純国産かつ地域の貴重な水資源を活用した再生可能エネルギーである水力発電を長期にわたって最大限活用し、カーボンニュートラルの実現に貢献していくとのことだ。