SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング研究機関『SHIBUYA109 lab. (シブヤイチマルキューラボ)』は、選挙権を持つ18歳以上の大学生などのZ世代を対象に、外部調査パネルによるWEB調査とSHIBUYA109 lab.独自ネットワークによるインタビューから「Z世代の政治に関する意識調査」を行い、結果を公表した。
【1】投票意向は7割超。一方で、日本の政治に「期待している」は18.5%にとどまる。
まず「今後、選挙があれば投票すると思うか」と聞いてみたところ、「必ず投票すると思う」が42.8%、「投票したいがまだわからない(日時や場所による)」が31.3%という回答が得られ、約7割以上のZ世代に投票意向があることがわかった。
グループインタビューでは、「投票しない人は不満を言う資格がないと思うので、不満を含めた意見を言うためにも投票する」「自分にできることは行動に移したいので投票する」という意見が出るなど、政治について意見を持ち、不満に対して行動に移そうとするZ世代の姿が見られたとのことだ。
一方で、Z世代の政治に対する期待感について調査したところ、「日本の政治に期待している」のはわずか18.5%という結果となり、投票意向の有無に関わらず、Z世代全体として日本の政治にあまり期待していない傾向にあることがわかったとしている。
【2】約8割のZ世代が情報収集に慎重な姿勢を示す。平均3.6個のメディアを確認する彼らのチェックポイントとは。
次に、政治関連の情報収集実態について調査。選挙前だけでなく、日常の中で政治関連の情報を目にしているという回答者は61.3%となり、半数以上のZ世代が日常的に政治に関する情報に触れていることがわかった。
また、SNS・マスメディア問わず日々膨大な量の情報に接しているZ世代は、非常に高い情報リテラシーを持っているという。
情報を収集している時に気をつけていることが一つでもあると回答したのは、全体の約8割となり、気をつけていることとして「情報発信源を確認する」が1位に。
【3】政治について「話しにくい」と感じるのは約4割。協調性の高いZ世代の“政治の話題”に対するスタンスとは。
政治にまつわる話題の共有について、政治の話を「話しにくいと感じる」人は全体の4割程度に。ただし、「周りと話しやすい環境が理想か」という問いかけに対しては「どちらとも言えない」という回答が42.3%と高い数値になり、政治というトピックがZ世代の中でセンシティブな話題として捉えられていることがわかった。
グループインタビューでも、「政治に関する思想は話さない。政治にまつわる考え方などの話をしたいが、『相手が話すのが嫌だったら?』と考えると心配」「SNS上での発信でも、自分の意見は言わないようにしている。自分の意見が誰かの気持ちに影響を与える可能性もあるので怖い」などの意見が聞かれたとのことだ。
【4】理想の政治家は「いない」が約9割。Z世代が望むのは「多様な国民の声が届く政治」
最後に、Z世代はどのような政治を望んでいるのかを調べるために、「理想の政治家がいるか」と聞いたところ、約9割が「いない」と回答。
なお、政治家に持っているイメージとして全体で多かった回答順に「不正がある」が45.5%、「対応が遅い」が32.3%となった。
グループインタビューにて政治への不満を聞いてみると、「経済格差を感じる。豊かな人からしっかりお金をとって、福祉などへの投資に回して欲しい」「教育にもっとお金を使ってほしい」「幅広い人に目を向ける施策をしてほしい」という意見が聞かれ、資産や施策の偏りに対する不満が感じられる意見が出たという。
また、その背景に「政治家が一般的な生活感覚とは乖離した別の世界の人に感じる」「企業経験のある人に政治家になってほしい」など、既存の政治家に対する不満も聞かれたとのことだ。
一方で「理想の政治家のイメージ」を聞くと、「誠実」「対応が早い」などが回答数で上位になり、現在のイメージと真逆になっていることが判明。
さらに、理想の政治について自由回答で聞いてみると、「若者・少数派を含む国民に寄り添って欲しい」という意見が多く、「暮らしやすい」「寄り添う」「生きやすい」など、生活に根付いたキーワードが散見されたとのことだ。
■アンケート調査概要
(1)WEB調査
調査期間:2022年4月
調査パネル:外部調査会社のアンケートパネルを使用
居住地:一都三県
性別:男女
年齢:18~24歳
対象:大学生・短大・専門学校生
回答者数:400名(男性200名/女性200名)
(2)SHIBUYA109 lab.による定性調査
●グループインタビュー
対象者条件:大学生 男子4名、女子4名 2G 合計8名
<参考>
SHIBUYA109 lab.『Z世代の政治に関する意識調査 2022年版』