清水建設は、創業時より連綿と受け継いできた木の文化、技術、魅力の発信拠点の整備に向け、東京木工場の既存施設群全11棟を順に解体し、工場棟と来客棟の2棟に集約する全面建替えプロジェクトに着手したことを発表した。
新築する施設のコンセプトは、木工事の技術と木の文化の伝承という東京木工場の重要な役割を踏まえ、「木の文化・技術・魅力の発信拠点」としているという。
3階建て、延床3,555m2の工場棟は、1階を多軸ロボットやNC加工機などの最新工作機械により新たな木造(木質)建築に対応する技術開発ゾーン、2階と3階を伝統の木工技術による加工を行い、文化・技術の継承を図る伝統技術ゾーンにするとしている。
いずれのゾーンにも見学エリアを設け、来場者が木の伝統技術と最新技術を間近で見学できるようにするとのことだ。
来客棟は2階建て、延床1,291m2で、1階中央部を資料館とし、東京木工場が過去に製作した有名建築の内装の現寸展示や伝統工具、図面類を展示。
1階北側に常設の木育室を設け、見学希望者や地域住民などを対象に木工教室を開催。2階には事務室と会議室を配置するという。
木工場に相応しく、工場棟・来客棟ともに木鋼ハイブリッド構造を採用するとともに、敷地内に木育の一環として設ける緑豊かな「森」が来場者を迎え入れるとしている。
なお、既存敷地内での建て替えとなるため、既存施設群を順に解体しながら来客棟、工場棟、外構の順に着工。解体工事を含むそれぞれの工期は順に22年3月~23年7月、23年8月~24年12月、24年12月~25年9月、施設全体のグランドオープンは2025年10月を予定しているという。
東京木工場は、全面建替えを経て、増大が見込まれる木造需要に対応するバリューチェーンの核となるとともに、従来の倍の3,000人/年程度の見学者を受け入れ、文字通り、木の文化・技術・魅力の発信拠点に生まれ変わるとのことだ。