カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ(以下、カウンターポイント社)は、中国におけるスマートフォン販売が2022年第1四半期に前年同期比で14%減少し、7,420万台となったというMonthly Market Pulseレポートによる最新調査を発表した。
この四半期における台数は、コロナが猛威をふるった2020年第1四半期に匹敵するという。
Appleの同四半期における販売は、iPhone13シリーズの勢いに陰りが出たことで、前の四半期より落ちたものの、それでもなおiPhone13は同四半期に中国で最も売れたスマートフォンとなったという。
また、HONORはV字回復し、同四半期のシェアは17%と、2021年第1四半期の5%から大躍進。HONOR 60の人気のおかげで、同社は主要メーカーのなかで唯一、前年同期比167%と前四半期比15%と両方で成長したとのことだ。
中国のスマートフォン市場に関して、カウンターポイント社リサーチアナリストMengmeng Zhang氏は、次の通り述べた。
「中国の経済成長は、2022年第1四半期に前年同期比でわずか4.8%と、政府が目標とする5.5%に届かなかった。これは、感染者増加とロックダウンとによるものである。2020年8月以来初となる、小売りの伸びも3月に3.5%減少し、また、大都市の失業率も記録的な高さとなった。こうした要因と、現在の感染の波の前から既に顕著だった中国スマートフォン市場の減速傾向が重なり、スマートフォンセクターに大きなインパクトを与えた。」
「2022年第1四半期を通じて、中国スマートフォン市場は、春節のわずかな期間を除いて、毎週減少傾向を見せていた。消費者心理が弱含んでいること、そして、消費者を刺激するような新機能の不足によって、スマートフォンの需要は今後も下降線を辿るものと考えられる。」
また、主要メーカーの業績に関して、カウンターポイント社シニアリサーチアナリストIvan Lam氏は次の通りコメントした。
「この四半期にvivoは、20%のシェアをもって、市場の首位の座をApple(2021年第4四半期首位)から奪還した。新発売した中級機のS12シリーズは、自撮りに特化し、軽量かつファッショナブルなデザインが市場で好評となり、特に若者に支持を受けた。また、vivoの低価格Yシリーズ、例えばY76sやY31sもこの四半期に好調だった。」