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帝国データバンクは、2022年4月報の企業倒産件数(負債1000万円以上の法的整理が対象)について集計し・分析した結果を公表した。
■倒産件数は487件、11か月連続の前年同月比減少も減少率はコロナ禍以降で最小
倒産件数は487件(前年同月比0.4%減)と、11か月連続の前年同月比減少に。4月としては集計開始以降最少を記録する一方、減少率は0.4%減とほぼ横ばいで推移。コロナ禍以降続いた倒産件数の大幅減少のペースは落ち着きを見せ始め、減少率は最小であった。
負債総額は720億1700万円と、前年同月(799億9000万円)から79億7300万円減少し、前年同月比で10.0%減。3か月ぶりの前年同月比減少となった。
■業種別:7業種中5業種で前年同月比減少
業種別にみると、7業種中5業種で前年同月を下回ったという。小売業(前年同月124件→94件、24.2%減)は、まん延防止等重点措置の全面解除といった影響もあり、飲食店(同46件→25件)で大幅に減少し、全体でも2か月連続の前年同月比2ケタ減となった。
卸売業(同58→52件、10.3%減)は、11か月連続で減少。一方で、サービス業(前年同月107件→139件、29.9%増)では、宿泊業(同3件→10件)が8か月ぶりの大幅増に転じるなど、2か月連続で増加。
なお、運輸・通信業(同18件→20件、11.1%増)は、3か月ぶりの2ケタ増となり、増加基調が続いているという。
主因別では、「不況型倒産」の合計は367件(前年同月377件、2.7%減)と、2か月連続で前年同月を下回り、構成比は75.4%(対前年同月1.7ポイント減)を占め、4月としては2007年以来15年ぶりの低水準を記録したとのことだ。
■地域別:9地域中5地域で前年同月比増加、近畿が11カ月ぶりの増加に転じる
地域別にみると、9地域中5地域で前年同月から増加する結果に。近畿(前年同月126件→141件、11.9%増)は、大阪、滋賀では2ケタ減となった一方、京都(同17→28件、64.7%増)など4府県で2ケタの大幅増。全体では11カ月ぶりの増加に転じたという。
東北(同15件→24件、60.0%増)では、4か月連続で前年同月比50%超の大幅増が続き、建設業(同2→8件)やサービス業(同0件→7件)の倒産が顕著にみられた。一方、関東(前年同月185件→157件、15.1%減)は、3か月連続の前年同月比減少。特に東京(同98→76件、22.4%減)は、4月としては過去40年で最少件数となった。
■特殊要因倒産
人手不足倒産が7件(前年同月8件、12.5%減)発生、4カ月ぶりの前年同月比減少。後継者難倒産は44件(前年同月36件、22.2%増)発生で、2か月ぶりの前年同月比増加に。
またコロナ融資後倒産は32件(前年同月15件、113.3%増)発生で10か月連続の前年同月比増加となった。
<参考>
帝国データバンク『2022年4月報の企業倒産件数』