元JASDAQ上場のオンキヨー、破産申請へ 負債額は約31億円

オンキヨーホームエンターテイメントは、5月13日に大阪地裁へ自己破産を申請を行ったこと発表した。なお、同日破産手続き開始決定を受けたとのことだ。

■2期連続債務超過で上場廃止

オンキヨーグループは、1946年9月に大阪電気音響社として設立。

同社は、2010年10月に株式移転の方式によりグループの経営管理を目的に設立され、持株会社として大阪証券取引所JASDAQ市場に新規上場。グループでは、「オンキヨー」ブランドのほか、2015年に資本・業務提携し一部事業を統合した「パイオニア」ブランド名で製品を展開している。

近年は各種オーディオシステムなどホームAV製品の需要が低迷しており、ヘッドホンやワイヤレスイヤホンといった製品群を抱えるデジタルライフ事業の拡大に努めていたものの、2019年3月期の連結売上高は約438億3600万円にまでダウン。不採算事業を内包していたため損失計上が常態化していたという。

このようななか、業務提携先で筆頭株主であった米国ギブソン社が2018年5月に米国連邦破産法11章を申請。

リストラを推し進めるなか、2019年5月にはホームAV事業を米国のサウンドユナイテッド社に80億円で売却する旨で基本合意していたが、同年10月には中止を発表。

営業債務にも支払い遅延が生じ、取引条件の見直しの要請を受けて生産を縮小・停止をせざるを得ない状況に陥っていたという。

その後、本社・事業所の集約、希望退職者の募集などの合理化策を講じる一方、新株予約権付社債の発行や第三者割当増資、投資有価証券売却などにより資金をつないできたものの、2020年に入ってからは新型コロナウイルスの感染拡大により中国やインド、マレーシアの各工場で操業停止を余儀なくされていたという。

そのうえ、欧米など海外では販売店が閉鎖されるなどで売り上げが激減。債務超過に陥るなか、2021年8月1日付でJASDAQ上場廃止となっていたとのことだ。

上場廃止以降は、ホームAV事業の譲渡など主要な事業や資産の譲渡による再建を図っていたものの、厳しい資金繰りを余儀なくされ、国内販売事業やOEM事業についても子会社二社が資金難により2022年2月に事業を停止、3月に大阪地裁より破産手続き開始決定を受けている。

同社はホームAV事業譲渡に伴う手数料収入を得ながら事業を継続してきたが、資金繰りの悪化に歯止めがかからず、今回の措置となったとしている。

負債は約31億5160万11円。債権者数は約500名(クラウドファンディングで支援したもののリターン製品の未受領者も含む)とのことだ。

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