満栄工業と岡山理科大学、ウイルス等の吸着性が高い活性炭を開発 新型コロナへの効果も確認

満栄工業は、学校法人加計学園 岡山理科大学との共同研究により、ウイルスなどの吸着性が高い新タイプの活性炭を開発したことを発表した。

なお、岡山理科大学 獣医学部・微生物学 森川 茂教授と共同で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の吸着効果も確認し、防護マスクや空気清浄機、動物用医薬品、動物飼料用添加剤などへの利用が見込まれるとのことだ。

新タイプの活性炭

今回開発された新タイプの活性炭は、特殊な合成樹脂を炭化させた後、炉に入れて1,000度近い高温の水蒸気で賦活化したものだという。

直径0.2mmの小さな球状ながら、全体に微細な穴があるため1g当たりの表面積は1,000~2,500m2程度と大きく、樹脂に添加する成分によって吸着しやすい物質を変えられるほか、ヤシ殻などの炭を原料とする既存の活性炭に比べて穴のサイズや形状を均一に成形できるため、用途に応じた高い吸着性を発揮することができるとのことだ。

また、岡山理科大学との共同研究で、新型コロナウイルスを含む液体に新タイプの活性炭を入れたところ、約1時間で99.998%以上のウイルスを吸着し、感染力を失わせる不活化の効果を確認。

ヨウ素や銀イオンなど化学物質をコーティングして抗ウイルス効果を持たせた活性炭はこれまでにもあったものの、コーティング加工なしで吸着、不活化できるものは世界初(満栄工業調べ)とし、同件は特許出願中だという。

なお満栄工業は、新タイプの活性炭の製造設備などを導入し、来春から本格生産を始める計画とのことだ。

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