「空飛ぶクルマ」および「物流ドローン」を開発するSkyDriveは、型式証明審査の適用基準(Certification Basis)を「耐空性審査要領第 II 部(第61改正)」ベースで構築することについて、2022年3月に、国土交通省航空局と合意したことを発表した。
なお、審査対象は、型式証明申請中の2人乗り機体「SkyDrive式SD-05型機」(以下、SD-05)とし、SkyDriveは、同機体で2025年の事業開始を目指しているとのことだ。
■型式証明について
型式証明は、国土交通省が航空法に基づき、新たに開発された航空機について、その型式ごとに設計、構造、強度、性能などが所定の安全基準および環境基準に適合していることを証明するもの。
同証明のためには強度試験や飛行試験など、各種審査が行われるという。
なお、同社の開発する「空飛ぶクルマ」(eVTOL)は従来の航空機と異なる航空機であり前例がないため、諸外国と同様に審査基準や証明計画、証明方法などすべてのプロセスにおいて航空局と議論しながら推進する計画とのことだ。
■耐空性審査要領第II部とは
耐空性審査要領第II部は、乗客数が19名以下かつ最大離陸重量8,618kg(19,000ポンド)以下の固定翼機の耐空性要件を定めたものとし、最新の第61改正は取り扱う機体の形状や搭載するシステムに自由度を持たせることが出来る最新の審査要領としている。
この審査要領には、航空機および装備品の安全性を確保するための強度、構造および性能についての基準が定められているという。
空の移動革命に向けた官民協議会での空飛ぶクルマの安全基準に関する議論を踏まえ、SD-05の型式証明審査は同審査要領ベースに構築することで合意。
米国のFederal Aviation Administration(FAA)や欧州のEuropean Union Aviation Safety Agency(EASA)等の諸外国当局も、eVTOLの型式証明審査を耐空性審査要領第II部と同等の基準で進めているとのことだ。