JR東日本は、環境問題への取り組みの一環として、フォーアールエナジーが提供する電気自動車「日産リーフ」の再生バッテリーを踏切保安装置の電源に活用するため、2022年度からJR東日本管内の踏切へ導入を開始すると発表した。
電気自動車「日産リーフ」の再生バッテリーは、現在まで街灯や店舗のバックアップ電源に導入されてきたが、鉄道分野で本格的に導入されるのは初めてだとしている。
■再生バッテリーの導入に向けた取り組み
JR東日本は、一時的な停電時でも動作を継続できるよう、踏切保安装置にバッテリーを設置。同バッテリーに、環境にやさしい電気自動車の再生バッテリーを活用できないか、常磐線および水戸線の10カ所の踏切において、性能の検証を進めてきたという。
検証の結果、充電時間は従来の鉛蓄電池の約1/3の時間で完了すること、10年の寿命が見込めること、および鉄道沿線の環境において安定稼働することが確認できたとのことだ。
2022年度、バッテリーの利用頻度が高く効果の大きい約160踏切に導入し、順次使用する踏切を拡大していくとしている。
電気自動車の再生バッテリーを活用することにより、環境負荷の軽減につながるとしている。また、従来の鉛蓄電池のバッテリーに比べて長期間の使用が可能となることから、設備費のコストダウンが可能に。
さらに、リチウムイオン蓄電池の特徴である短時間での充電性能や、今回追加となる遠隔監視機能などによって、従来に比べてメンテナンスが容易になるという。
なお、今後は無線設備などの電源装置に対して再生バッテリーの試験導入を行い、検証するとしている。
JR東日本は、今後も「ESG経営」を実践し、事業を通じて社会的課題の解決に取り組み、地域社会の持続的な発展に貢献するとのことだ。