世界の大手総合旅行ブランドの一つであるエクスペディアでは、毎年恒例の「有給休暇の国際比較調査」リリース第二弾を発表した。
6年ぶりに改善した日本の有給休暇の取得率、若者の取得率が最も高い
日本で働く人の有給休暇の取得率は6年ぶりに改善、過去11年の調査の中で最高の60%となった(2015年と同率)。世代別に見てみると、18歳から34歳の若者の取得率が67%、35歳以上の世代は60%に。
支給される休暇日数は若者が少ないものの、それ以上の世代に比べ、積極的に有給休暇を取得していることがわかる。
休暇中「家族やパートナーと一緒に過ごす」のが大切、休暇は仕事にポジティブな影響も
より価値のある休暇にするために大切なことについて聞いてみると、最も割合が多かった回答は「家族やパートナーと一緒に過ごす(40%)」となった。
また、休暇を取得することによる仕事への影響について聞いてみると、日本で働く人の72%が「休暇後はポジティブな姿勢で仕事に取り組める」と回答し、さらには64%の人が「休暇後は仕事へのモチベーションが上がる」と回答。
日本で働く人にとって、休暇を取得することはプライベートな生活での幸せや人間関係だけでなく、仕事にもポジティブな影響があると考えていることがわかる。
日本で働く人の半数以上が感じる「休み不足」、43%の人は休暇中に「連絡を遮断しない」
原因は休暇取得に対する「上司・会社の協力体制」が感じられないこと
日本で働く人は休暇を取得することのポジティブな影響を感じている一方で、55%の人が「休み不足を感じている」と回答。2020年はその前年に比べ「休み不足」を感じている人が約10%減少していたものの、2021年には再度10%上昇する結果となった。
さらに、「休暇中に連絡を遮断するか」という質問に対し、43%が「連絡を遮断しない」と回答、世界で最も多い結果となったとのことだ。
その原因は、休暇取得に対する上司・会社の協力体制にあるという。「上司・会社が休暇取得に協力的か」という質問に対し、「はい」と回答した人の割合は50%にとどまりまったという。2020年は65%が「はい」と回答していたが、2021年にはまた減少。
また、世界の各地域と比較してみると、日本は最も低い割合であることがわかり、上司・会社が休暇取得に協力的でないことが「休暇中も連絡を遮断してはいけない」というプレッシャーとなっているのかもしれないという。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は世界的に働き方の変化をもたらし、在宅勤務やワーケーションなどの柔軟な働き方を楽しめるようになった一方で、日本においては休暇中でも連絡を取れなければならないというプレッシャーが依然強く残っているようであるという。
有給休暇の取得率は改善した日本であるが、休暇を十分に楽しみ、仕事へのモチベーションを上げるためには、まだまだ「働き方改革」を進める必要があるとしている。
アンケート概要
■サンプル数: 計14,544名/16地域(日本のサンプル数1,003名)
■調査対象: 日本、アメリカ、カナダ、メキシコ、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、香港、マレーシア、シンガポール、韓国、タイ、台湾
■調査期間: 2021年12月14日~12月30日
■調査方法: インターネットリサーチ
■調査会社: Northstar Research Partners
※同調査では小数点第1位で四捨五入しているため、足し上げても合計数値が100%とならない場合がある。