KDDIは2022年4月6日、エネルギー事業の強化を目的として、中間持株会社「auエネルギーホールディングス」(以下、auエネルギーHD)および「auエネルギー&ライフ」を設立したと発表した。
KDDIは2022年7月1日付(予定)で、auエネルギーHDの傘下にauエネルギー&ライフとエナリスを移管し、2社の管理事業および事業戦略の企画・立案・推進機能などをauエネルギーHDへ承継。
加えて、KDDIの営む電力小売事業などをauエネルギー&ライフに承継するとのことだ。
脱炭素社会の実現に向け今後エネルギー関連の事業環境の変化が予見される中、KDDIはauエネルギーHDの設立により、提携パートナーとともに事業環境の変化へ迅速に対応し、電気の小売サービスを基盤としながら、ユーザーのニーズに即した機動的なサービスの提供を目指すとのことだ。
■背景
地球温暖化による影響は年々深刻化し、気象災害が増加している。政府は、2050年脱炭素社会の実現に向けて「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定し、経済と環境の好循環を創出するため、官民の総力を挙げた取り組みを進めているとのことだ。
2050年脱炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギーの大量導入を目指しているが、再生可能エネルギーは発電量が季節や天候に左右されやすいため、蓄電池をはじめとした分散型電源の制御による需給の調整が重要になるとのことだ。
■KDDIグループの取り組み
KDDIは、2016年4月の電力小売全面自由化に伴い電気サービス「auでんき」の提供を開始し、324万(2021年12月末時点)のユーザーが利用している。
2021年9月からは、再生可能エネルギー比率実質100%でCO2排出量実質ゼロの電気と、寄付を通じて環境保全活動に貢献する「ecoプラン」を提供。
エナリスは、日本における「CDP認定再生可能エネルギープロバイダー」として、企業などに対してアドバイスを提供するほか、使用する電気の再生可能エネルギー切り替えや省エネルギーサービスなど脱炭素に取り組むための具体的なソリューションを提案し、企業の脱炭素化をサポートしているとのことだ。
エナリスとKDDIは、2016年度から経済産業省が実施している「バーチャルパワープラント(VPP)構築実証」に参画し、太陽光発電や蓄電池などの分散したエネルギーリソースを効率的に管理・制御し供給力・調整力として活用するVPPの構築に取り組んできた。
KDDIは、2030年度までに自社の事業活動におけるCO2排出量実質ゼロを、KDDIグループ全体では2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指すとしている。
■「auエネルギーホールディングス」の概要
(1)商号:auエネルギーホールディングス
(2)所在地:東京都千代田区飯田橋三丁目10番10号
(3)事業内容:エネルギー事業子会社の経営管理
(4)資本金:1億円
(5)設立年月日:2022年4月6日
(6)株主:KDDI 100%
■「auエネルギー&ライフ」の概要
(1)商号:auエネルギー&ライフ
(2)所在地:東京都千代田区飯田橋三丁目10番10号
(3)事業内容:auでんきをはじめとする電力小売事業の運営
(4)資本金:1億円
(5)設立年月日:2022年4月6日
(6)株主:KDDI100%(2022年7月1日付でauエネルギーHD100%に変更)