生活者一人ひとりのアクションで脱炭素社会を推進する共創型プラットフォーム「Earth hacks」は、参画企業の商品が排出するCO2相当量(CO2e)と、従来の素材や手法で作られた製品と比較した時の差分としての削減量や削減率(CO2e削減量/率)まで含めた情報をInstagramやWebサイトにて公開を開始したことを発表した。

「Earth hacks」がInstagramやWebサイトにて情報公開を開始

現在、「Earth hacks」の理念に共感するアパレルブランド11社、食品・酒類メーカー2社、インテリア・小物を展開するブランド2社が参画しているという。

使用する素材や輸送手段、製造過程におけるCO2eを抑えた商品を「Earth hacks」のInstagramやWebサイトにて紹介し、その商品のCO2eと従来の素材や手法で作られた製品と比較した時の差分としての削減量と削減率が一目でわかるとしている。

CO2e削減量の可視化

「Earth hacks」は、三井物産が提携するスウェーデンのインパクトテック企業「Doconomy(ドコノミー)」が提供するカーボンフットプリントの計算ツール「The 2030 Calculator」を活用。

各商品の環境負荷の少ない素材や手法を、従来の素材や手法と比較したCO2e削減量を記載。その商品を購入することで、購入者がどれくらい脱炭素に貢献できたかを具体的な数値を見て実感できるとし、現在販売中の商品のCO2e平均削減量は約40%、最も削減率の大きい商品は78.9%にもなるという。

また、それでも排出されるCO2eはカーボンオフセットができる仕組みにより、「Earth hacks」で購入した商品は実質カーボンフリーとなる予定とのことだ。

Earth hacksの仕組み

生活者一人ひとりのアクションで脱炭素社会を推進する共創型プラットフォーム「Earth hacks」は、博報堂の新規事業開発組織「ミライの事業室」と三井物産が共同で推進する、実証実験中の取り組み。

博報堂が2021年9月に実施した「生活者の脱炭素意識&アクション調査」によると、若い世代で脱炭素に対する関心が高まっており、Z世代では「非常に関心がある(34.5%)」「やや関心がある(35.4%)」を合わせると約70%に上ったという。

一方、日々の暮らしの中で脱炭素を「非常に意識して行動している」人は3.3%、「ある程度意識している」を含めても32.1%と、関心の高さに比べて行動に移せている人は多くはない状況に。

その理由は「自分が何をすれば貢献できるのか、よくわからない(58.1%)」、「手軽に取り組めそうなものがわからない(56.1%)」などが上位となり、生活の中で個人に出来ることが認知されていないことがうかがえたとのことだ。

「Earth hacks」は、共創型のプラットフォームとして、Z世代をはじめとする脱炭素に関心がある人向けに、自分の生活にも取り入れたいと思えるライフスタイルやエシカルな商品の情報を提供したり、生活者の声をもとに脱炭素関連商品・サービスや事業の開発を目指しているという。

博報堂グループの生活者視点やクリエイティビティと、三井物産の脱炭素ソリューションや国内外のネットワークをかけ合わせ、情報発信やコンテンツ開発をしていくことで生活者を巻き込み、生活者とともに社会へインパクトをもたらす脱炭素の取り組みへと成長させていくとしている。

なお今後、はアイディアソンやZ世代発の事業作り、プロダクト開発、そのプロセスをコンテンツ化するなど、生活者と一緒にこの取り組みを拡張していく予定とのことだ。