東急は、日本政策投資銀行(以下、DBJ)との間で、DBJ-対話型サステナビリティ・リンク・ローンによる金銭消費貸借契約を締結することを発表した。

なお、DBJの同ローンの活用は、鉄道業界では東急が初となるとのことだ。

同ローンは、Loan Market Associationなどが策定した「サステナビリティ・リンク・ローン原則」(以下、SLLP)および環境省が策定した「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン」に基づき、貸付人であるDBJが対話を通じて、借入人のサステナビリティ経営高度化に資する適切なKPIとSPT(※)の設定を支援。

さらに、貸付期間中の定期的な対話によりSPTの達成に向けた伴走を行うものとしている。

東急は、グループスローガン「美しい時代へ」のもと、「サステナブル経営」を方針とし、「未来に向けた美しい生活環境の創造」および「事業を通じた継続的な社会課題の解決」を進め、環境と調和する持続可能なまちづくりに一層取り組むため、「環境ビジョン2030」を策定。

同ローンでは、「環境ビジョン2030」で掲げた2050年CO2排出量実質ゼロに向けた新たなCO2排出量削減目標をKPIおよびSPTとして設定しているとのことだ。

鉄道事業においては、ホームドア・センサー付固定式ホーム柵の整備や東急電鉄所属全車両への車内防犯カメラ設置など、「安全・安心」への対応に加え、環境に配慮した設備の導入や再生可能エネルギーの活用など、「脱炭素・循環型社会」実現に向けた施策を積極的に実施。

また、東急線全路線で2022年4月1日より再生可能エネルギー由来の実質CO2排出ゼロの電力で運行することも発表している。

なお、同ローンで調達した資金は鉄道事業の設備投資資金に充当し、環境負荷の低い設備機器や新型車両の導入、気候変動適応に向けた対策などを通じて東急のサステナブル経営を推進するとのことだ。

(※)SPT:サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲットの略