「THE世界大学ランキング日本版2022」発表 総合は、東北大学が昨年に続き1位 分野別ランキング「教育リソース」では東京大学が1位に

世界で最も権威のある英国の教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」(以下、THE)は、高等教育界に特化したデータ・分析・情報を提供し続けており、「世界大学ランキング」を2004年から発表している。

今回、THEはベネッセグループの協力のもと、大学の教学改革やグローバル化の推進に向けて、「THE世界大学ランキング日本版2022」を発表。

ベネッセグループは2016年にTHEと業務提携契約を締結し、THEの国内総合パートナーとして協力してきた。

「THE世界大学ランキング日本版」は2017年3月に1回目の発表を行い、今年で6回目となるとのことだ。毎年9月にTHEが発表する世界版ランキングでは「研究力」を軸に据える一方で、日本版ランキングは、日本の教育事情により即した形で大学の魅力や特性が表れるように、大学の「教育力」を測る設計となっているという。

ランキング指標は「教育リソース」「教育充実度」「教育成果」「国際性」の4分野で構成されている。一般的な国内の大学ランキングは、主に入学時の学力(合格基準)が軸になっているが、同ランキングは学生の学びの質や成長性に焦点を当てたものとなっているとのことだ。

日本版ランキングの2022年版では273大学がランク付けされた。

総合ランキングでは、東北大学が昨年に続き1位に、1つ順位を上げた東京大学(昨年3位)が2位に、同率3位には2つ順位を上げた大阪大学(昨年5位)と東京工業大学(昨年2位)が、続いて5位に京都大学(昨年4位)、6位は昨年に続き北海道大学(昨年6位)がランクイン。

また、分野別ランキングでは、「教育リソース」で東京大学が再び1位となり、「教育充実度」は国際教養大学、「教育成果」は京都大学と、昨年から変化はなく、「国際性」では立命館アジア太平洋大学が初めて1位に。

様々な社会環境の変化の中、大学の経営、ガバナンス、そして何よりも「教育の質保証」といった観点から日本の高等教育機関は注目されている。

大学改革に向けて、客観的なデータを管理・活用するIRの必要性は増す一方。そして、今後10年で10%、さらに20年後には20%と、国内の18歳人口が減少する状況下、世界中の大学進学希望者に日本の大学の魅力を多様な側面から伝えていくことは極めて重要であるとしている。

THEおよびベネッセグループは、大学ランキングを順位そのものにとどめることなく、大学独自の魅力や特性を客観的に把握するツールとして、大学改革でのプロセスで活用してほしいと考えているとのことだ。

今後も、この日本版ランキングを、多くの関係者と改善を重ねながら育てていく所存であるとのことだ。

また、日本の大学における教育改革の一指標とするとともに、国内外の大学進学希望者にとって大学選びの一助になれば幸いであるとしている。

THE世界大学ランキング日本版2022【ランキング指標】

2022年版のランキング指標は、2021年版から変更はないという。2019年版以来、指標における「教育充実度」の充実を図る目的で、“教員・学生の交流、協働学習の機会”、“授業・指導の充実度”、“大学の推奨度”の3つの学生調査の結果が、重要な指標項目としてランキングに反映されている。

【指標の補足説明】

THE世界大学ランキング日本版2022【分野別順位】(20位まで抜粋)

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