ワーケーションで業務の「集中度」30%以上向上 効果を得やすい職種はマーケティング職 沖縄県がウェルネス効果を検証

ワーケーション

沖縄県は、沖縄でのワーケーションに「ビジネスの感性を高めるウェルネス効果」があることを検証するため、2021年11月に東京と沖縄にて同一人物での実証実験を実施し、その結果結果を公表した。

同調査では、睡眠の質や、集中度、ひらめき力、ストレスに対して好影響をもたらすことが明らかになったとのことだ。

東京に比べて沖縄は「睡眠深度」「やる気」「集中度」「ひらめき力」が向上し、ストレスは「軽減」

1.睡眠テスト
脈拍による睡眠評価をしたところ、合計睡眠時間は東京の方が長いものの、深い睡眠をしている深睡眠時間割合は、東京と比較して21%多い結果に。

また被験者アンケートでも、午前中の眠気は東京と比べて平均21%下がっていて、疲労度に関しても、午前は平均20%、午後は平均11%下がる結果となった。

2.やる気テスト
業務に対するやる気を脳波で測定したところ、沖縄の方が、午前:27%、午後:13%向上したとのことだ。

【左】睡眠テスト【右】やる気テスト

3.集中度テスト
朝の集中度を脳波で測定したところ、沖縄全体で4%向上したという。また、那覇・中部チーム単体では13%の向上が見られたとのことだ。

英語文章のタイピングによる集中度測定では、沖縄の方が5%向上する結果となり、朝の集中度測定とタイピングによる集中度測定共に、沖縄滞在3日目から集中度が上がる傾向が明らかとなった。

集中度テスト

4.ひらめき力テスト
朝夕2回に分けて5分間のひらめきテストを実施したところ、沖縄の方が独自のアイデア率が8.5%向上し、更に那覇・中部チーム単体のテスト結果では14%の向上が見られた。

5.ストレステスト
朝の安静時にストレス度を脳波で測定したところ、那覇・中部チーム単体では東京と比較して16%下がったという。

【左】【右】

6.グループディスカッション
グループディスカッション時の脳波を測定したところ、東京と比較して沖縄の方が13%満足度が高いことが明らかとなった。ストレスに関しても、研究職は7%、エンジニアは14%下がっていたという。

グループディスカッション

職種別の比較においては、マーケティング職に大きな変化があることが判明

1.マーケティング職
東京と比較して、深睡眠時間割合は16%向上し、ストレスは9%減少。朝の集中力は11%、タイピング時の集中度は32%、グループディスカッションの満足度も12%向上する結果となった。

2.事務職
東京と比較して、深睡眠時間割合は64%、グループディスカッションの満足度は29%向上。

3.研究職
東京と比較して、朝の集中力は21%向上。グループディスカッションにおいては満足度が19%向上し、ストレスが7%減少することが判明したとのことだ。

4.エンジニア職
東京と比較して、深睡眠時間割合は31%向上し、ストレスは13%減少、朝の集中力は12%向上した。グループディスカッションにおいては満足度が8%向上し、ストレスが14%減少していたという。

5.営業職
東京と比較して、深睡眠時間割合は2%向上し、ストレスは20%減少。朝の集中力は16%、タイピング時の集中度も11%増加したとのことだ。

職種別比較

上記の結果から、さまざまな仮説を考えるマーケティング職は、沖縄特有の開放感や五感を刺激するアクティビティで気持ちがリフレッシュされ、沖縄ワーケーションの効果が出やすく、業務に対しても良い影響をもたらすと同社は考察している。

■ミンサー織体験は感性刺激効果、グラスボード体験はデトックス効果があることが明らかに

沖縄ワーケーション効果検証の一環として、沖縄県ならではアクティビティ体験を実施。デトックス効果のあるアクティビティ(川平湾グラスボード、八重山星空鑑賞、竹富島水牛車)は、ぼんやりしている時の脳の状態になり、ひらめきが起こりやすいと言われるデフォルトモードネットワークが優位になることが明らかになったという。

また、感性刺激効果アクティビティ(朝のビーチ散歩、やちむん陶芸体験、ミンサー織体験)は、五感をフルに使うことで、脳への新しい刺激とポジティブな影響を与える結果となったとのことだ。

アクティビティ体験での効果検証

【実証実験方法】
日程:2021年11月8日〜11日/3泊4日
実施エリア:
2チームに分かれ、それぞれエリア特性を活かした体験を実施・効果検証
(1)八重山(石垣島・竹富島):自然を活用したリフレッシュ・リラックス体験
(2)那覇・中部エリア:沖縄の伝統文化や異国文化などを活用した文化刺激体験
被験者:5名(同一人物にて東京と沖縄の比較検証を実施)
30代女性:マーケティングリサーチャー、30代女性:事務職
30代男性:研究職、30代男性:エンジニア、40代女性:営業
検証方法:
東京と沖縄の共通タスクと沖縄ならではのアクティビティ実施時の脳波を計測。
●睡眠の質を確認するため、FITBITにて脈拍を計測。
●朝夕2回、睡眠とやる気に関するアンケートを実施。
共通タスク:
グループディスカッション(1日1回、30分)、ひらめきテスト(朝夕2回、5分)
タイピングテスト(朝、5分)、安静計測(朝夕、1分)、通常業務

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