空港のデジタルサイネージ広告をネットワーク化 全日空商事、次世代広告配信サービスの運用を開始

全日空商事は、2020年10月より羽田空港にて運用中のデジタルサイネージ広告(以下、DOOH)を、今回九州4空港(長崎、阿蘇くまもと、宮崎ブーゲンビリア、鹿児島)と中部国際空港(セントレア)の5空港に設置、羽田空港を加えた6空港を結び、国内初となる空港DOOHをネットワーク化。

そのネットワークを利用した次世代広告配信サービス「TRAVEL MEDIA™ Airport Dynamic Ad Vision(トラベルメディア エアポートダイナミックアドビジョン)」を、3月21日より運用開始するとのことだ。

同サービスの導入により、各空港DOOHへ広告の一斉配信、さらには広告視認者の把握も可能となる。

■ 6空港をネットワーク化、広告の一斉配信が可能に

今回運用開始するネットワーク広告配信サービス「TRAVEL MEDIA™ Airport Dynamic Ad Vision」は、2020年に運用を開始した羽田空港の「HANEDA Dynamic Ad Vision」に加え、2021年11月にリリースした「TRAVEL MEDIA™」のサービスの一つ。

国内5空港(セントレア、長崎、阿蘇くまもと、宮崎ブーゲンビリア、鹿児島)の出発階制限区域内などに65インチの大型ハイビジョン、デジタルサイネージを6空港計32台設置し、広告を一斉に配信するという。

■ 広告主・空港事業者双方に様々なメリットを創出

これまで広告主が各地の空港内に広告を掲出する場合は、空港毎に広告枠を購入し、DOOHの仕様や期間調整、広告素材の入稿が必要であった。また広告は掲出するのみで、広告出稿の効果を可視化できるものが少ないという課題があったとのことだ。

空港事業者においても、看板などのオフライン広告の切り替えに当たっては多くのコストと時間が必要となり、時期に合わせた最適な広告や情報を表示することができないことも多く、空港単位で新しい仕組みを導入しても他の空港と連携できないという課題があったとのことだ。

全日空商事が提供する「TRAVEL MEDIA™ Airport Dynamic Ad Vision」は、クラウドを活用し、空港毎に入稿していた広告素材を一括で入稿することができる。

この入稿データを、今回ネットワーク化した空港DOOHへ一斉配信できるだけでなく、オフラインで空港以外の街中のDOOHやオンライン広告への展開も可能。また、デジタルサイネージに設置したAIカメラによりサイネージ前の通行者数の計測や広告視認者を把握することも可能。

空港事業者は、通行者数や広告視認者のデータを活用し、施設内商業エリアへのマーケティング支援や施設サービス向上も可能となり、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を図ることで、広告主にとって、新たな情報発信の機会や広告ソリューションを創造していく機会となるとしている。

■空港利用者にも旅行先の施設や事業者にとっても最適な情報提供が可能となる

空港利用者には、利用する各地の空港の出発階制限区域内などに設置された65インチの大型ハイビジョンデジタルサイネージから、動画や静止画など多様なフォーマットで幅広い情報が提供される。

また、到着先の観光施設や事業者にとっても、観光地情報やホテル、空港に接続する交通機関、自治体に関するコンテンツなど、空港利用者と親和性の高い商品・サービスの情報提供が出発便や到着便と連動して提供できる。

■地域産業にもきめ細かいサービスを展開

掲出する広告には、複数の空港に一括で配信が可能なネットワーク配信広告枠に加え、空港毎の「地域枠(ローカル枠)」を設定している。

その地域の企業やお土産、ホテル、空港から連絡する交通網など地域の観光・ビジネスに関連する事業者の情報発信を「地域枠(ローカル枠)」を提供することで支援するとのことだ。

こちらを提携空港や地域の空港利用者をはじめ、各地域を訪れるトラベラーへの情報発信強化の場として活用することで、地域の活性化、観光・ビジネス需要の拡大に貢献していく。

従来、ポスターや看板のみで同一メッセージをトラベラーに発信していた地域企業は、季節や天気・イベントに合わせたタイムリーな広告配信が可能となる。全日空商事は、地域企業のDXも支援することで地域および観光業界への貢献を図っていきたいと考えているという。

■今後の展開 ~「TRAVEL MEDIA™」は「TRAVEL MEDIA™プラットフォーム」へ進化~

ネットワーク広告配信サービス「TRAVEL MEDIA™ Airport Dynamic Ad Vision」は、今後国内の提携空港を拡充するとともに「TRAVEL MEDIA™」として旅行導線上のホテル、空港と連絡する交通網、観光施設などへもデジタルサイネージの設置拡大を図っていくという。

また、トラベラーとの接点の拡大を目指し、ホテル・観光施設でのサンプリング展開や2021年11月に発表した「TRAVEL MEDIA™DSP」と接続し、ウェブおよびアプリ上の配信面の拡充によるプログラマティックなネットワーク配信、統合解析の提供など、広告ソリューションの拡大を図るとのことだ。

将来的には、トラベラーの行動を解析・理解することで広告配信ソリューションから様々な企業へのマーケティング支援、DX支援ができる「TRAVEL MEDIA™プラットフォーム(マーケティングプラットフォーム)」の確立を目指していくとしている。

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