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クックパッドは、現在の男女の料理頻度やZ世代の料理頻度から見た未来への展望を「World Cooking Index 世界の料理頻度から見る、ジェンダーギャップの現在と未来」としてまとめ、3月8日の国際女性デーに合わせ発表した。
同結果は、クックパッドが2018年から世界的な調査会社であるギャラップ社と連携し、世界約140か国で料理頻度等の調査を実施して、2021年12月2日に2020年実施分の結果と分析を「A Global Analysis of Cooking Around the World Year 3」として公開したレポートを元に、新たに分析を行いまとめられたものとしている。
■世界中で男女の料理頻度の差は約2倍
2020年調査では、男性の料理頻度は4.5回、女性の料理頻度は9.1回と約2倍の差があり、前年の2018年度及び2019年調査でも、女性の料理頻度は男性の2-2.3倍程度とほぼ同水準で推移しているという。
また2020年の調査において、既婚者の中で配偶者が食事を作ってくれたと回答した男性は84%だったのに対し、女性は41%だったことからも、女性が主に家庭での料理の役割を担っていることがわかるとしている。
一方で、家で料理された食事を食べる頻度は、男性(9.9回)も女性(10.5回)もほぼ同じ頻度に。男女ともにほぼ同じ回数、家で食事をとるにも関わらず、料理の頻度は大きく異なる結果となったとのことだ。
■男女の料理頻度の差が最も大きいバングラディシュ、最も少ないタイ王国
特に男女の料理頻度の差が大きい国を見ると、上から順番にバングラディシュ、エチオピア、パキスタン、ウズベキスタン、カザフスタンが並んだ。
男女の料理頻度の差が最も大きいバングラディシュでは、1週間あたりの料理頻度は男性1.4回に対して女性9.9回となっており、その差は8.5回という結果に。
一方で、男女の料理頻度の差が小さい国は、タイ、ジャマイカ、カナダ、オーストラリア、ノルウェーとなった。
2021年に世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数において、タイは79位、ジャマイカは40位、カナダは24位と、比較的ジェンダーギャップの小さい国であることがわかるとしている。
なお、日本のジェンダーギャップ指数は156か国中120位となっている。
■日本国内の男女の料理頻度の差は約3倍
日本のデータを見ると、女性の料理頻度は9.3回でほとんど世界平均と同じだが、男性の調理頻度は3.3回と、世界平均を約1回分下回っており、男女の料理頻度の差は約3倍であった。
世界平均と比較しても、男女の料理頻度の差が大きい現状が浮かび上がったとのことだ。
また、日本において2019年と比較すると、2020年には男性の料理頻度は0.1回増加。一方で女性は0.3回増加しており、コロナ禍において家にいる時間が増加した結果、女性がより料理をするようになったものと考えられるとしている。
UN Womenが行ったグローバル調査でも、料理と食事の提供にかかる時間は女性が32パーセント、男性は18パーセント増えたと回答。このことからも、Covid-19の流行により女性がより料理をする時間が増えた傾向が読み取れる。
■コロナ禍は男性も料理をするきっかけに
一方で、グローバルの調査結果を見ると、「配偶者が食事を作ってくれた」と回答した女性は平均して6%ポイント増加しており、コロナ禍において男性も料理をするようになった傾向がみられ、特に以前のデータで女性の方が大幅に料理をしていた国において、その傾向が顕著に現れているという。
世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数を参照すると、131位のヨルダンでは男性の料理頻度は56パーセント増加し、また132位のレバノンにおいては男性の料理頻度は46パーセント増加しているとのことだ。
■日本における男性の料理頻度は増加傾向
WorldCoookingIndexの調査からも、日本において男性の料理頻度が増加傾向にあることがわかった。
2018年には2.8回だった男性の調理頻度は、2019年には3.2回、2020年には3.3回にまで上昇。日本国内の女性頻度は2018年が9.8回、2019年が9回、2020年が9.2回となり上昇傾向はみられていない。
■Z世代を中心とする若い男性の料理頻度は年々上昇傾向
男性の料理頻度の増加は若い世代において顕著だという。25歳以下の料理頻度は2018年には2.93回であったが、2019年には3.51回、2020年には3.98回にまで増加。
一方で、Z世代の女性の料理頻度は、2018年が7.06回、2019年が7.19回、2020年が6.92回と、この三年間で微減し、大きな変化は見られていないとしている。
■まとめ
調査の結果から、男女の料理頻度の差は日本で約3倍、世界平均では約2倍と依然として大きいものの、コロナ禍におけるステイホームは、女性だけではなく男性も料理に参加するきっかけとなったという。
さらに、Z世代を含む若い世代においては、男女の料理頻度の差は縮小傾向にあり、男性も積極的に料理に参加している傾向が伺えた。
若い世代において、男性も料理をする頻度が高まっていることは、料理におけるジェンダーギャップの現状を変える大きなきっかけになるのではないかと同社は考察している。
若い世代における男性の料理頻度増加の背景には、性別役割分業意識の希薄化、(特にインフレ率の高い国における)節約志向、さらには暮らしの豊かさを重視する傾向などさまざまな要因があると考えられるという。
World Cooking Index プロジェクトは、世界中の研究者と連携して料理の意味・価値に関する研究を促進し、これらの背景についても今後明らかにしていきたいとのことだ。
<参考>
クックパッド『【国際女性デーに考える】World Cooking Index 世界の料理頻度から見る、ジェンダーギャップの現在と未来』