兵庫県洲本市(以下、洲本市)とパナソニックは、地域社会における課題解決の促進と持続的な地域社会の発展を目的として、洲本市が2020年2月より推進している「洲本市25%ごみ減量化作戦」の達成に向けて共同で取り組んでいくことで合意し、協定を締結したことを発表した。
同協定に基づきパナソニックは、洲本市において、(1)家庭から排出される生ごみ削減のために生ごみ処理機を用いた減量化、(2)飲食店、小売店等で発生している、本来食べられるにもかかわらず廃棄されている食品の削減を目的としたフードシェアリングサービス、に関する共同実証実験を行うとのことだ。
日本のごみ総排出量は4,274万t(東京ドーム約115杯分)、1人1日当たりのごみ排出量は918 gと共に横ばいだという。
ごみ処理事業経費はわずかに減少しているものの依然として2兆円を超える金額であり、各自治体の大きな負担となっているほか、高齢化の加速に伴ってごみ搬出が困難になる家庭の増加も想定され、ごみの減量化は各自治体において大きな課題となっているとのことだ。
また、ごみ減量化の阻害要因の一つであるフードロスについても、ここ数年国内でほぼ横ばい状態が続いていることから、SDGsが掲げる「2030年世界全体の一人当たりの食料廃棄半減」実現に向けてはまだ対策が必要な状態だとしている。
洲本市は現在1人1日当たりのごみ排出量を、平成28年度の659gから令和4年度には500g(24.1%減)に削減する目標を掲げており、今後、洲本市とパナソニックは共同実証実験を通じて生ごみ減量や住民一人ひとりのフードロスに対する意識改革を図るとともに、ごみをなるべく排出しないライフスタイルの実践につなげていくとのことだ。
■共同実証の概要
(1)生ごみ処理機を用いたごみ減量化
市民宅に設置した生ごみ処理機にて処理した乾燥ごみの活用検討、および、ごみ減量化に向けた意識向上調査
(2)フードシェアリングサービスの提供
飲食店や小売店等から発生している本来食べられるにもかかわらず廃棄予定の食品と、消費者をマッチングさせることによって、食品廃棄を減らすフードシェアリングサービスの検討
【各主体の役割】
洲本市
●実証実験の実施、およびデータ提供
●市民モニターの選出、モニターへのアンケート調査の実施
●市の関連媒体を利用した広報、およびイベント等での情報発信
●飲食店や小売店等へのコーディネート
パナソニック
●生ごみ処理機の提供
●飲食店や小売店等、および消費者が利用するフードシェアリングサービスの提供と管理運営
●生ごみ処理機を活用したサービスの提案(食農循環プラットフォーム等)
●同プロジェクトのトータルサポート
●地域が抱える課題の検証と解決に向けた具体的な取り組み推進、実施にむけた民間企業支援