大和証券、NTTコミュニケーションズ（以下、NTT Com）、日本テクトシステムズ（以下、日本テクト）の3社は、2021年12月より2022年2月まで、電話を活用した「認知機能チェックシステム」の実証実験を実施したことを発表した。
同実証実験では、利用者が電話で簡単な質問に回答し、回答内容や話し方からAIが認知機能の状態を判定する「認知機能チェックシステム」の有効性および操作性の検証を行ったとのことだ。
なお「認知機能チェックシステム」は、NTT Comと日本テクトが連携し、認知機能の判別に役立つアルゴリズムを活用し構築・提供したとしている。
■同実証実験の概要
同実証実験に賛同した大和証券の利用者に、電話もしくはスマートフォンアプリを利用し、「認知機能チェックシステム」にて認知機能の確認を実施。
1．電話での認知機能チェック
（1）所定の電話番号へ発信
（2）ガイダンスの要求に沿って、ユーザーIDをプッシュボタンで入力
（3）本日の日付を発話（西暦何年、何月、何日、何曜日）
（4）回答内容や話し方からAIが認知機能の状態を判定
2．アプリでの認知機能チェック
（1）スマートフォンアプリをダウンロード
（2）インストール時に団体コード、ユーザーID、パスワードを入力
（3）本日の日付を発話（西暦何年、何月、何日、何曜日）
（4）回答内容や話し方からAIが認知機能の状態を判定
■同実証実験から得られた成果
スマートフォンアプリでの利用だけではなく、スマートフォンでの電話機能、フィーチャーフォン、固定電話など受付手段を多様化することで、高齢者が自分の好む方法で認知機能のチェックが可能となり利便性が向上。
「認知機能チェックシステム」は、豊かな老後・生涯にわたり安心できる資産管理の実現に寄与し得るものであると確認できたとしている。
■今後の展開
大和証券は、同実証実験で得られた成果を活かし、今後もフィナンシャル・ジェロントロジーを取り入れた金融サービスの向上に役立てていくという。
NTT Comは、大和証券と日本テクトとのパートナーシップにより、より多くの高齢者の利用価値の創出、フィナンシャル・ジェロントロジー分野における社会的課題の解決につながるソリューション提供を検討するとしている。
日本テクトは、同実証実験で得られた知見を、AIを活用したヘルスケア・医療機関向けサービスの提供に役立てるとともに、大和証券と連携し高齢化社会に対応した安心できる金融サービスの提供にも貢献していくとのことだ。