ダイキン工業は、全国約700名の花粉症の男女を対象に「コロナ禍の花粉シーズンの困りごとや花粉対策に関する意識調査」を実施したと発表した。

毎年、花粉シーズンには多くの人が、くしゃみ・鼻水・鼻づまりや目のかゆみなどの症状に悩まされており、すでに花粉の飛散が始まっている今年も、3月から4月にかけた飛散量のピークに向け、花粉対策への関心がさらに高まることが予想される。

今回の調査では、2020年から始まったコロナ禍に伴って生活習慣が大きく変化した花粉シーズンの特徴を探ったという。

その結果、「在宅時間が増加するほど花粉症の症状が軽くなる人の割合が高い」ことや、多くの人が「窓開け換気をしたいがためらう」「症状が新型コロナ感染症と似ているため不安」といったコロナ禍特有の困りごとを抱えていることがわかった。

また、花粉対策として「空気清浄機の活用」が「薬の服用」に次いで多く挙げられる一方で、窓開け換気時の室内で花粉が溜まりやすい場所を知っている人が約3割にとどまるなど、空気清浄機が有効的に活用されていない可能性があることもわかったとのことだ。

こうした調査結果を踏まえ、「空気で答えを出す会社」であるダイキン工業が、本格的な花粉シーズンを前に、自宅でできる花粉対策のポイントや空気清浄機の効果的な設置場所について紹介。

在宅時間が1週間あたり40時間以上増えた人のうち、約半数はコロナ前と比べて花粉症の症状が軽くなった

コロナ禍での生活習慣の変化として、テレワークやステイホームで在宅時間が増えたことが挙げられ、今回の調査では、在宅時間が増えた人の合計が49.0%で、増えていない(減った含む)人は51.0%となり、約半数の在宅時間が増加したことが分かったとのことだ。

コロナ禍以降の花粉症の症状の変化についても確認したところ、「在宅時間が週に40時間以上増えた人」のうち、「症状が軽くなった」と回答した人が約半数(45.8%)だったのに対し、症状が重くなった人はわずか1.4%。

また、「在宅時間の増加が1時間以上~40時間未満増えた人」の症状を見てみると「軽くなった:26.5%(重くなった:2.3%)」、「在宅時間が増えていない人」では「軽くなった:18.1%(重くなった:4.4%)」という結果に。

在宅時間が長くなるほど花粉症の症状が軽くなる人の割合が高くなる傾向が見られることから、在宅時間の増加によって屋外の花粉に接したり、衣服などに付着した花粉を室内に持ち込んだりする機会が減ったことが、花粉症の症状軽減に影響しているとも言えそうとのことだ。

今年の花粉シーズンは「窓開け換気をしたいがためらう」「症状が新型コロナ感染症と似ているため不安」など、コロナ禍ならではの困りごとが上位

「コロナ禍以降、季節性のくしゃみや鼻水、鼻詰まりなどの症状が原因で感じた困りごとはありますか?」という質問で、最も多かった回答は「仕事や勉強などの効率が下がる、集中力が低下する(34.8%)」となった。

次に多かったのが「窓開け換気をしたいがためらう(23.9%)」「症状が新型コロナ感染症と似ているため不安になる(23.2%)」で、それぞれ4人に1人が困りごととして挙げているという。

「薬や病院代が負担になる(21.6%)」や「症状が重く夜にぐっすり眠れない(20.8%)」など、コロナ禍に関わらず発生する花粉シーズンの困りごとよりも、コロナ禍特有の困りごとに悩む人が多いことがうかがえる。

花粉対策として薬を飲む人、空気清浄機を活用する人は約40%

「あなたは自宅での花粉対策として、どのような取り組みをしていますか?」という質問に対する回答では、最も多かった「病院やドラッグストアで購入した薬を飲む(42.0%)」に次いで挙げられたのが「空気清浄機を使用する(38.7%)」となった。

花粉症の症状が重い人にとって欠かせない薬を服用して対策する人と、空気清浄機で対策する人の割合は僅差で、多くの人が、新型コロナウイルスの感染拡大を機に新たに空気清浄機を活用し始めた人も多いのかもしれないという。

なお、空気清浄機は室内の花粉を減らす工夫として有効であるが、これらに加えて「洗濯ものを部屋干しする(34.2%)」「帰宅時に衣類や髪についた花粉をはらう(23.4%)」など、室内に花粉を持ち込まない工夫も併せて実践することもおすすめであるとのことだ。

花粉対策として空気清浄機を使用している人のうち、窓開け換気の際に家に侵入する花粉が「壁際に溜まりやすい」と知っているのは約30%

コロナ禍以降、窓を開けて換気することが推奨されているが、花粉シーズンには窓開け換気を控える人もいるという。

換気はコロナ対策としてだけでなく、日々新鮮な空気を家の中に取り入れるためにも大切であるとし、窓開け換気時の「花粉対策」として空気清浄機が役立つが、空気清浄機をより効果的に使用するためには、「窓開け換気の際にどこに花粉が溜まりやすいのか」、そして「空気清浄機はどこに置くのが効果的か」を知っておくことが重要となる。

「窓開け換気をした際に、部屋に侵入した花粉はどこに溜まると思いますか?」という質問に対して、「壁際付近」と正解を選べた人は28.6%で、「分からない」と回答したのは38.0%(窓際:21.4%、部屋の真ん中:17.0%、天井付近:9.5%。その他:2.7%)。

窓開け換気の際に、花粉が溜まりやすい場所を把握している人はあまり多くないことがわかった。

また、花粉対策として空気清浄機を使用している人に限ってみても、「壁際付近」と正解を回答できたのは28.8%、「分からない」と回答したのは29.6%で、効果的な場所に空気清浄機を置いて「窓開け換気」と「花粉対策」の両立を行えている人は少ないとのことだ。

「窓開け換気時に侵入した花粉が溜りやすい場所」と「効果的な空気清浄機の設置場所」を意識することで、換気と花粉対策を両立することができる。

自宅での効果的な花粉対策を紹介

室内に花粉を持ち込まないための心がけ

帰宅時は家に入る前に、衣服や髪についた花粉を玄関先でしっかり落とし、家に入ったら洗顔・手洗い・うがい。また、花粉がつきやすい上着は玄関先に収納することで、室内に花粉を室内でまき散らすのを防ぐことができる。

花粉シーズンに洗濯物を外に干す場合は、花粉の飛散量が少ない午前中がおすすめ。花粉の飛散量は時間帯によって変化し、午前中の朝10時までの時間帯は少ないことが分かっているという。

症状が重く少しでも抑えたい人は、ランニングや買い物などの出かける際も、なるべく午前中にすると良いとのことだ。

窓開け換気時に、花粉の侵入を防ぐためにできること

換気を定期的に行う際の花粉対策としては、レースカーテンが効果的。レースカーテンをしたまま窓を10㎝程度開けて換気を行った場合、花粉の流入を4分の1に減らすことができる。

新型コロナウイルス対策としてだけでなく、室内の空気を入れ替えて快適性を向上するためにも、定期的な窓開け換気は必要なため、こうした工夫を心掛けることを呼びかけている。

また、上記の通り、花粉は朝10時頃までは比較的飛散量が少ないため、窓を大きく開けて換気をしたい場合は、朝の10時頃までを推奨。

窓開け換気時の空気清浄機の設置場所は「空気が入る窓の正面の隅」

同社が行ったシミュレーションでは、2つの窓を開けて換気をする時、外の空気とともに窓から部屋に入ってきた花粉は、気流に乗って窓の正面の壁にぶつかり、壁に沿って左右に広がっていくことがわかった。

また、空気清浄機を使用する時は、空気が入ってくる窓の正面の隅に置くことで、壁に沿って広がる花粉を効率的に吸い込むことや、風量が大きいほどたくさんの花粉を吸い込むこともわかったという。

花粉は重く床に落ちるため、空気清浄機の使用と併せて「床に溜まった花粉をふき取る」「掃除機で吸い込む」ことも効果的であるという。

空気清浄機の置き場所(A~H)によって、窓から入る花粉を吸い込む量にどのくらいの違いがあるのかを確認したシミュレーションでは、最も花粉を吸い込んだのは、空気が入ってくる窓の正面の隅「A」に置いた場合で、その吸い込み量は最も効率が悪かった「H」と比べて5.8倍という結果が得られたとのことだ。

また、空気清浄機の風量の違いでも花粉を吸い込む量が変化し、「標準(3.5m3/分)」よりも「ターボ(7m3/分)」の方が、吸い込む花粉の量が1.9倍に増える結果に。

空気清浄機の設置場所に加えて、風量の大きさも意識するといいとのことだ。

調査概要
調査名     コロナ禍の花粉シーズンの困りごとや花粉対策に関する意識調査
調査期間 2022年2月14日~2月15日
調査対象 全国の男女672名
調査方法 スマートフォンリサーチ