Metaは2月22日、iOSおよびAndroidにおいて、昨年9月より米国など一部の国で提供していたFacebookリールを日本を含む世界中の150を超える国に拡大することを発表した。

また、クリエイターにさらなる収益化の機会を支援する方法や新しい制作機能を導入し、Facebook上でFacebookリールを視聴・作成しやすくするとのことだ。

●クリエイターがFacebookリールから収益を得られるように、バナー広告やスタンプ広告をはじめとするオーバーレイ広告のテストを拡大
●リミックス機能や、Facebookストーリーズにシェアできる機能など、さまざまな新機能をFacebookリールに導入

急成長中のコンテンツフォーマット

利用者が動画を視聴する時間は、FacebookやInstagramでの利用時間の半分を占めており、なかでもリールは急成長を遂げているコンテンツとなっている。

Metaは、Facebookリールがクリエイターの発掘、視聴者やファンとつながり、そして収益を得られる最適な方法となるよう注力しているとのことだ。また、利用者が楽しく簡単に、関連性のある面白いコンテンツを簡単に見つけ、シェアできるよう取り組んでいるという。

米国で2021年9月にFacebookリールの提供を始めて以来、オリジナルコントを披露したり、自身の詩を朗読したり、新しい食べ物にチャレンジしたり、ダンスのトレンドに参加するなど、さまざまなクリエイターが活躍を続けているという。

Facebookリールによる収益化の方法を追加

Metaでは、クリエイターがリールから収益を得られる機会を創出している。リール動画再生ボーナスプログラムは、クリエイターの収益化サポートを加速し、22年末までに10億米ドル以上を投資するMetaの取り組みの一環として開始されたもので、対象となるリールの再生回数に応じて、1か月に最大で3万5千ドルが対象のクリエイターに支払われるという。

クリエイターは、このボーナスでリールを作成したり、どのようなコンテンツがFacebook上で人気となるのかをクリエイター自身で分析することができる。

Metaは、今後数か月にわたってこのボーナスブログラムを他の国にも拡大し、さらに多くのクリエイターが自身のコミュニティから愛されるリールを作成して、収益を得られるようにするとのことだ。

また、インストリーム広告やFacebookスターのような収益化機能でクリエイターの有意義な収益化をサポートしてきた経験をもとに、広告収益のシェアやファンからのサポートなど、継続的に収益を上げるためのオプションをFacebookリールに導入。

そのため、Facebookリールオーバーレイ広告のテスト対象を、日本をはじめ、米国、カナダ、メキシコのすべてのクリエイターに拡大するほか、今後数週間にわたって他の国にも展開予定であるという。

まずは、Facebookリールの下部に半透明のオーバーレイとして表示されるバナー広告とスタンプ広告というクリエイターがリール内の任意の場所に表示できる静止画像広告の2種類の広告フォーマットから始めるとしている。

このような視聴の妨げを最小限に抑える広告フォーマットを利用し、クリエイターは広告収入の一部を得られるようになるとのことだ。

米国、カナダ、メキシコでは、インストリーム広告に参加しているすべてのクリエイターに、リールから収益を上げられる広告の利用資格が自動的に付与される。

また、3月中旬までには、インストリーム広告を利用できるほぼすべての国のクリエイターにこのテストが拡大される予定であるという。

さらにMetaでは、今後数週間のうちにFacebookスターのテストをリールで開始し、視聴者がリールの再生中にスターを購入・送信して、クリエイターをサポートできるようにする予定であるとのことだ。

オーバーレイ広告とFacebookスターは、Facebook上でより多くの利用者がFacebookリールを視聴し、反応することで、クリエイターの収益が増えるように設計されているという。

また、Facebookリールのバナー広告とスタンプ広告を利用できる地域において、ブランド適合性を管理できる機能(パブリッシャーリスト、ブロックリスト、インベントリーフィルター、配信レポートなど)を両広告に導入。

これにより広告主は、クリエイターのブランドやキャンペーンに不適切な場所への広告表示に関して管理を強化できる。

さらに、昨年10月よりFacebookリールでテストしていた臨場感あふれるフルスクリーン広告を、今後数か月にわたってグローバルに展開。

この広告は、Facebookのオーガニックコンテンツと同じように、利用者はコメント、「いいね!」、視聴、保存、シェア、スキップができるとのことだ。

新しい編集機能が登場

昨年米国で発表された機能*1に加え、以下の機能を世界中のクリエイターが利用できるように。

●リミックス:Facebookで公開されている既存のリールを利用して、独自のリールを作成できる機能。リミックス機能は他のクリエイターが作成したリールの一部またはすべてを含むリールを作成可能
●60秒リール:最長60秒間のリールが作成可能
●下書き:リールの作成後に「保存」ボタンの下にある「下書きとして保存」ボタンを選択できるようになる予定
●動画クリップ:今後数か月以内に、動画クリップ機能を公開予定。この機能は、クリエイターがライブ動画や長尺の録画済み動画を、さまざまなフォーマットで簡単にテストできるようにするもの

Facebook上でリールを作成・発見できる場所が拡大

今後数週間のアップデートにより、以下の新たな場所でリールを簡単に作成・発見できるようになる。

●ストーリーズ:Facebookリールのリーチを最大限に増やすための手段として、Facebookのストーリーズでリールをシェアできるように。また、公開されている既存のストーリーズからリールを作成することが可能
●Watch:「Watch」タブから直接リールの視聴や作成ができるようにするもの
●フィードの上部:フィードの上部に「リール」ラベルが新たに追加され、わずか数クリックで簡単にリールを作成
●フィードのおすすめ:一部の国では、新鋭のクリエイターが作成したリールなど、利用者が好みそうなリールがおすすめとしてFacebookのフィードに表示される

Metaは、クリエイターがリール動画をFacebookとInstagramの両方の利用者にシェアしやすくするため、クロス投稿などの方法を検討しているという。

Facebookリールは、フィード、グループ、Watchで見つけられるようになる。また、再生中のリール動画から直接クリエイターをフォローしたり、リールに「いいね!」やコメントを残したり、友達にシェアしたりすることが可能になるとのことだ。