伊藤忠商事、リサイクルナイロンを使用した環境配慮型ファスナーやボタンを開発 3月より主に欧州ファッションブランド市場を中心に販売を開始

伊藤忠商事は、ファスナー製造・販売最大手のYKKのイタリアの拠点であるYKK ITALIA S.P.A.および同グループ内姉妹会社(以下、YKK社)、Aquafil S.p.A.(以下、Aquafil社)と共同で、Aquafil社のリサイクルナイロンを原料にした環境配慮型のリサイクルファスナー、リサイクルボタンを開発したと発表した。

2023年春夏シーズンのアイテムに向けて、2022年3月より主に欧州ファッションブランド市場を中心に販売を開始するとのことだ。

伊藤忠商事は2021年2月にリサイクルナイロンブランド「ECONYL® (以下、エコニール)」を展開するAquafil社とナイロン循環リサイクルビジネスの拡大について提携を発表しており、廃ナイロンの回収及び最終製品の販売拡大・新規開発に取り組んできたとのことだ。

昨今の環境意識の高まりから、リサイクル原料に対するニーズはファッション業界でも年々高まっており、大手ファッションブランドを中心に、衣類や鞄等の生地としてエコニールの素材が採用されている。

一方で既存のファッション製品は複数の原材料が使用されているため、回収時の素材毎の分別が容易ではなく、リサイクルする上での大きな課題として挙げられてきたという。

このような環境の中で、リサイクル比率向上のため、最初からリサイクルを前提に単一の原材料をベースに製品を製造する「モノマテリアル化」という概念が注目を集めている。

ファッション業界で幅広く「モノマテリアル化」を実現するために、ファスナーやボタン等の副資材も含めた原材料の統一化が重要な要素とされているとのことだ。

伊藤忠商事、YKK、Aquafil社の3社はファッション製品に使用されるファスナーやボタン等の副資材についてリサイクルナイロンを原材料とした製品を開発することで合意し、この度YKKの環境配慮型商品NATULON(ナチュロン)シリーズの一環としてエコニールを使用した製品「NATULON® made with ECONYL®」を販売。

製品のデザイン性や品質を保った上でリサイクル性まで配慮された「NATULON® made with ECONYL®」は、ファッション業界でのモノマテリアル化の促進や、循環リサイクルの実現への貢献が大きく期待されているとのことだ。

まずはYKKイタリア社にて生産し、欧州エリアを中心とした販売を開始するという。

伊藤忠商事は、YKKへのエコニールの安定供給、YKK商品のプロモーション、ナイロン廃棄物の回収等に取り組み、ナイロンリサイクルビジネスの拡大を目指していくとしている。

伊藤忠商事は、今後もナイロンリサイクルビジネスの更なる拡大を通じて、持続可能な循環型社会の実現に貢献していくとのことだ。

NATULON® made with ECONYL® 製品イメージ

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