凸版印刷は、2020年に導入したニューノーマルな働き方に向けた勤務制度の改定に続き、従来の職能等級制度に「ジョブ型」の要素を加えた「トッパン版ジョブ型人事処遇制度」の導入をはじめとした人事諸制度の改革を実施、2022年4月から導入を開始すると発表した。
凸版印刷は、デジタルシフトの加速や、新型コロナ感染症拡大などの影響による事業環境の変化に対応するため、中期経営計画を2021年5月に策定公表し、重点施策とした「事業ポートフォリオの変革」、「経営基盤の強化」、「ESGへの取り組み深化」の一環として働き方改革を進めているという。
今回、経営戦略やビジネスモデルの変革と一体となった人財戦略を策定、その施策として、これまでの全職種統一の職能等級制度から職群別の要素を取り入れた等級制度に再構築し、また、年功制の排除の観点から、各等級における在位年数も撤廃。
社員の処遇の根幹である等級制度の改定により、多彩な能力・キャリアを持つ人財をより適切に処遇する人事諸制度改革が進んだという。
評価の指標には、新たな項目として「持続可能な社会の実現」「ダイバーシティ」「人権の尊重」「社会的価値の創造」を加えるなど、成長や行動革新のための方向性を示すことで、組織全体のパフォーマンス向上を目指す。
これまで全職種統一で5段階設けていた等級を3段階とすることで、若手の抜擢を促進する一方で、上位等級については、「事務・管理部門」、「営業・企画部門」、「研究・開発部門」、「DX部門」の四つの職群ごとに「役割」や「職務」により最大6区分の「グレード」に格付けし、職群ごとの成果に応じた処遇に繋げる等級制度を設定。
目標管理による評価制度は、半期ごとの業績に対する人事考課をこれまでの5段階から8段階とし、よりきめ細かくすることで社員の働きがいに繋げ、上位等級については、その考課と連動し半年ごとに洗い替えとなる手当を支給するなど、目標達成に向けた意識を高める。
昇給制度については、加点主義の観点を取り入れ、従業員の「挑戦」に向けた行動を加点する一方で、考課によっては降格となる仕組みも導入。
合わせて、降格後もリスキリングなどにより、自身を成長させ、等級に相応しいスキルや能力を再度身に着けることで、再昇格も容易にできる仕組みにしたとのことだ。
また、従来は定年を60歳とし、最大65歳までシニア社員として再雇用としていたが、高年齢者が現役世代と遜色なく、またはそれ以上のパフォーマンスを発揮できるとの期待、確信から、高年齢者の働きがいのさらなる向上を目指し、2022年4月より定年を65歳に引き上げ。加えて、定年後再雇用制度を改定し、最大70歳まで働くことが出来ることにしたという。
一方で、社外副業・兼業については、自らの意思でやりたい業務にチャレンジできる環境の提供という視点から、副業・兼業を希望する社員が、事前に会社に許可を得て、月40時間を上限に社外での副業・兼業を行うことができる制度とした。
さらに45歳以上の社員については、週2日を上限に所定労働日にも副業・兼業を行うことができる、「セカンドキャリア副業・兼業制度」を導入し、社員のセカンドキャリア構築の観点から、中高年層社員の「挑戦」を支援するとしている。