テレビ朝日ホールディングスは、2月10日開催の取締役会において、亀山慶二氏(以下、亀山氏)からの取締役辞任の申し出を受理し、取締役の異動(辞任)について、下記のとおり発表した。

また、同社子会社であるテレビ朝日は、同日開催の取締役会において、亀山氏からのテレビ朝日の代表取締役社長・COOおよび同社の取締役辞任の申し出を受理。

テレビ朝日の代表取締役の異動について、下記のとおり決議したが、同日開催の同社取締役会においてもこれを承認したとし、併せて発表した。

1.異動内容

2.異動年月日
同社およびテレビ朝日とも、2022年2月10日。

3.異動の理由
テレビ朝日では、2021年8月以降、スポーツ局の社員・スタッフによる不祥事が連続して発覚したことを受け、同年12月、再発防止策を策定する目的で、同社役職員によって構成される「役職員の業務監査・検証委員会」(以下、検証委員会)を設置し、コーポレートガバナンスの観点からスポーツ局のガバナンスを中心に監査・検証したとのことだ。

その過程で、スポーツ局統括でもある亀山氏の業務執行上の不適切な行為が明らかになったため、亀山氏本人および社内関係者の事情聴取、伝票等の関係書類の精査を実施した結果、以下の事実が確認されたとのことだ。

(1)スポーツ局長との意思疎通の欠如

亀山氏は、テレビ朝日社長に就任した2019年6月以降、スポーツ局内において報告会を主催し、ほぼ毎週スポーツ局内の主要な役職者を招集して協議していたという。

報告会は、会社として正式に設置した機関ではないが、スポーツ局内の意思疎通・情報共有・円滑な指揮命令の伝達にとって、重要な役割を果たすことが期待されていたとのことだ。

しかしながら亀山氏は、合理的な理由もなくスポーツ局長をこの報告会に参加させないだけでなく、スポーツ局長との日常的な意思疎通も十分に行っていなかったため、スポーツ局内の指揮命令系統の混乱を招き、職場環境を悪化させる事態となっていたという。

(2)不適正な伝票処理による会社経費の私的使用

亀山氏は、同社社長就任後、スポーツイベントへの出席・営業活動のため、会社の費用負担で国内各地に出張していたという。

しかしながら、その中には業務との関連が認められないにもかかわらず、その際の会食・ゴルフ等の費用を含め、あたかも業務上の関連があるかのように仮装し、会社の費用として経費の精算をしていた事例があったことが確認されたとのことだ。

(3)その他

上記(2)の不適切な伝票処理以外にも、亀山氏には、代表取締役社長として不適切であって、業務の遂行に支障をきたすおそれのある行為が確認され、取締役の善管注意義務に照らして問題視せざるを得ないものがあったとのことだ。

亀山氏の個々の行為は、いずれもそれ自体としては必ずしも重大と評価されるものではなかったという。

しかし、放送事業という公益性の高い事業を営むテレビ朝日の社長には高い倫理観が求められることに加え、上記(1)のとおり、スポーツ局内の指揮命令系統を混乱させ、職場環境を悪化させた上、上記(2)および(3)のとおり、他の役職員の範となるべき社長自らが不適切な行為に及んでいたことは、スポーツ局内の規律を著しく弛緩させるものであって、続発したスポーツ局内での不祥事の遠因となったと評価せざるを得ず、検証委員会としては、この点において、亀山氏の行為はテレビ朝日社長として許されるものではないと判断しているとしている。

一方、検証委員会の調査の過程で、亀山氏も検証委員会の指摘した上記の各事実を概ね認めてその責任の重大性を認識した上、テレビ朝日のステークホルダーおよび役職員に対する反省と陳謝の意を示し、同社およびテレビ朝日の一切の役職を辞任する意向を示すに至ったとのことだ。

検証委員会は、その調査結果を同社およびテレビ朝日の取締役会に報告し、上記のとおり、両社の取締役会において亀山氏の一切の役職の辞任を正式に受理し、これを承認した次第であるという。

4.今後の対策
同社としては、今回の事態は、同社およびその子会社のコーポレートガバナンス上重大なものと受け止め、検証委員会の検証作業の継続と、再発防止策の構築を図ることによって、引き続き全社的な視点で適正・的確なコーポレートガバナンス体制の向上に役職員一同努力する所存であるとしている。