東日本電信電話（以下、NTT東日本）、ティアフォー、KDDI、成田国際空港（以下、NAA）は、4社合同で国土交通省航空局主催「空港制限区域内における自動走行の実現に向けた検討委員会」における自動運転レベル4相当の導入に向けた実証実験の枠組みおよび総務省「令和3年度課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」に参画したと発表した。
4社は2022年2月14日から2022年2月28日の間、国内空港で初めて、ローカル5Gおよびキャリア通信を活用した成田国際空港制限区域内における遠隔監視型自動走行バスの実証実験を行うという。
1．取り組みの背景
現在の日本の交通インフラにおける社会的課題として少子高齢化の急速な進行による労働人口減少がある。労働人口減少に伴い、様々な移動・物流サービスの担い手が不足することが危惧されており、空港運用においても同様の課題を抱えている。
その解決策の一つとして自動運転技術が注目されているところであり、成田国際空港において自動運転レベル4相当の導入に向けた実証実験を行い、人手不足への対応やヒューマンエラーに起因する車両事故リスクの軽減を目的とした自動運転技術の導入を目指すとのことだ。
2．実証概要
今回の実証実験では、自動運転車両「GSM8」を用いて、成田国際空港制限区域内を自動走行（ドライバー有り）し、制限区域内の実装に向けて課題抽出を行う。
また、複数の車載カメラ映像を用いた遠隔監視等のための通信インフラとして、ローカル5Gおよびキャリア通信による冗長化を行い、同構成における遠隔監視等の技術的な検証を行うとのことだ。
3．コンソーシアム各社の役割
■NTT東日本
●総務省「令和3年度課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」におけるプロジェクト管理
●ローカル5G通信環境の構築、技術検証、性能評価
●ローカル5Gを活用した自動運転の実現性評価 等
■ティアフォー
●国土交通省航空局主催「空港制限区域内における自動走行の実現に向けた検討委員会」におけるプロジェクト管理
●自動運転車両提供
●自動運転システム、遠隔監視システムの開発、実証評価
●無線冗長システムの開発および実証評価 等
■KDDI
●キャリア通信（5Gおよび4G）提供
●遠隔監視におけるキャリア通信のデータ収集や解析および品質調査 等
■NAA
●実証フィールドの提供
●空港における課題抽出、実証評価 等
4．今後の展開について
国土交通省航空局の企図する2025年レベル4相当自動運転の実現に向けては、「空港制限区域内における自動走行の実現に向けた検討委員会」において同実証の成果報告を行い、制限区域内での自動走行のルール策定に貢献するという。
また、ローカル5G等を活用して成田国際空港へのレベル4相当自動運転の実装や他空港への普及展開につなげることを目指すとしている。