NTTドコモ(以下、ドコモ)は、LTEに対応した法人向けクラウド型位置情報プラットフォームサービス「かんたん位置情報サービス」において、センサーと連携させる屋内外測位の実証実験を東日本旅客鉄道水戸支社(以下、JR東日本水戸支社)、シーイーシーと開始したと発表した。

「かんたん位置情報サービス」は、サーバーや専用端末、地図データ、ユーザーインターフェースなどをパッケージにしたクラウド型プラットフォームサービスで、位置検索、タイマー通知、エリア通知など位置情報サービスを展開する上で必要な機能を利用できる。

また、WebAPI連携機能を活用し、お客さま保有のシステムとの連携や用途に合わせたカスタマイズも可能であるとのことだ。

認知症患者の徘徊対策、ドライバー不足による車両動態管理の効率化など、社会的課題解決のためのソリューションとして多く利用されているという。

今回、GPSを用いた同サービスに、近距離無線技術BLE(Bluetooth Low Energy)搭載のGPS端末(以下、BLEゲートウェイ)と電波を発信するタグやセンサー(以下、BLEタグ・センサー)を連携させることで、屋内位置情報、温度・湿度・二酸化炭素濃度などの環境データやバイタルサインなどを遠隔で確認、可視化できる機能を開発。

これにより、従来の屋外位置情報に加え、屋内でもBLEタグ・センサーを使用しシームレスに位置を測位することが可能となり、かつ付加価値のある情報を併せて利用することで、さまざまな業種でのサービス展開が可能となる。

連携できるセンサーの種類も豊富で、API接続によるユーザー保有のシステムとの連携により、同サービスの仕様にとらわれない柔軟なユーザーインターフェースを作ることもできるとのことだ。

2022年度のサービス開始をめざし、さまざまな業種での有用性を確認するため、2022年2月から運輸業でのトレーサビリティ、製造業での車両管理や作業員の稼働管理などの実証実験を行うという。

運輸業でのトレーサビリティでは、生鮮食材の出荷から販売店への到着までの運搬状況と生鮮食材の温度状態を、BLEゲートウェイとBLEタグ・センサーで把握。

物流の一連の流れのトレーサビリティを行い、今まで見えていなかった「生産地から出発する駅まで」、また「到着した駅から販売店まで」の輸送荷物の位置情報と温度状態をデータで取得し、生鮮食材の輸送品質の担保と遠隔での荷物管理の検証を行うという。

製造業での車両管理としては、車両と倉庫内に設置したBLEゲートウェイとBLEタグ・センサーで、車両の位置情報を把握し、待機車両の誘導や車両の運行効率化が図れるかを検証する。

また稼働管理として、作業員、機器や部屋にBLEタグ・センサーを取り付け、屋内に設置したBLEゲートウェイで検知することで、作業員のバイタルサインや部屋の二酸化炭素濃度などを確認することができ、作業員や機器の稼働状況を見える化できるという。

これにより作業員の健康状態を把握するとともに、取得したデータをもとに業務効率化を図ることが可能かを検証するとのことだ。

ドコモは今後も、同サービスの利便性を高め、さまざまな業種が抱える課題の解決やDX推進に取り組んでいくとしている。