双日は、2022年2月9日、日本ハムとの間で水産原料の輸入、水産加工食品の製造・加工・販売事業を運営するマリンフーズの全株式、および関連する資産を取得することを合意し、同日付で株式譲渡契約を締結したことを発表した。

日本ハムの完全子会社であるマリンフーズは1964年創立の水産食品加工会社。

日本はもとより、ベトナム、ロシア、チリを含む全世界から各種水産原料を仕入れ、東南アジアを中心とした海外の提携工場や自社工場にて加工し、日本国内における45か所の営業拠点を活用して約4,000社の顧客と直接商談する販売体制を構築するなど、国内水産市場において確固たる地位を築いているという。

マリンフーズの主な取扱商品である寿司種は、提携工場や自社工場で差別化された技術を駆使して加工しており、付加価値の高い製品を幅広く提供。

また、高い販売力を背景に、厳選した水産原料(サーモン、イカなど)を安定的に調達し、顧客ニーズに沿う商品を供給できる盤石なバリューチェーンを構築しているとしている。

マリンフーズ取扱製品

双日は、リテール・食品領域における成長戦略として、消費市場の「顧客起点のビジネス(マーケットイン志向)」にこだわり、「生活の豊かさ」と「利便性」を高める多様な事業展開を推進し、成長が続くASEAN地域を中心に事業拡大を図っているという。

健康志向の高まりや調理の簡便化ニーズの増加を背景に、回転寿司や総合スーパーなどにおける水産食品市場が今後も世界的に拡大していくことが見込まれている。

マリンフーズの強みである顧客基盤・商品開発・加工機能と、双日の有するグローバルネットワークやリソース、および豊富な事業投資実績による新規事業開発能力を組み合わせることで、アジアや北米をはじめとした海外展開の強化・拡大を図るとのことだ。

特に、双日はベトナムにおける食品バリューチェーン構築に注力しているため、卸や加工等の流通基盤を保有するなか、マリンフーズがベトナムに有する自社工場を起点とした同国における水産食品の流通拡大に寄与する取組を推進するとのことだ。

また、リテール分野ではマーケットニーズを起点としたコンシューマー向け新商品の開発、EC事業・通販事業の強化による新たな顧客基盤の構築を推進。

他にも、水産分野では双日が従来から取り組んでいる長崎におけるマグロの養殖事業や中国のマグロ加工卸売事業の拡充に加え、さらなる製造・加工機能・商品開発の強化を図ることで、両社の持続的な成長を実現し、消費者のより良い生活の実現に貢献していくとのことだ、