ティアフォー、川崎重工業(以下、川崎重工)、KDDI、損害保険ジャパン、小田急電鉄、ホテル小田急、一般財団法人公園財団(以下、公園財団)の7つの企業・団体は、2022年1月22日から2022年2月10日まで、西新宿エリアにて、自動配送ロボットが5Gを活用して公道を走行しラストワンマイルの配送を行う実証実験に国内で初めて取り組んでいるという。

2022年2月3日以降の期間には、将来の自動配送ロボットの社会実装シーンを見据え自動配送ロボットの自律走行を遠隔地で監視・操作する実証を行うなど、より効率性・可用性が高く安全な配送の実現を目指しているとのことだ。

同実証実験は、2021年8月、実証実験の代表企業であるティアフォーと、KDDI、損保ジャパン、小田急電鉄で実施する事業が、東京都の「令和3年度西新宿エリアにおける5Gを含む先端技術を活用したスマートシティサービス(5G等活用サービス)実証事業」に採択されたことを受けて行うもので、「5G×自動配送サービスプラットフォーム」事業の構築に向けて共同で課題解決に取り組むことに賛同した川崎重工、ホテル小田急、公園財団を加え実施するという。

7つの企業・団体は、ヒトの移動に加え、「モノが移動する」新たなスマートシティの実現に向け、自動配送サービスプラットフォーム事業の構築を検討している。

同実証実験を通じて、技術面・運用面・事業面の課題抽出と対応方針の策定を行い、社会課題解決と新たな価値を創造する事業として、早期の社会実装を目指すとのことだ。

1.背景・目的

超高齢社会を迎える日本では、高齢者人口の増加やドライバー不足などが社会課題となっており、ラストワンマイル配送のさらなる効率化が求められている。

また、西新宿エリアは「スマート東京」の先行実施エリアであるとともに、「TOKYO Data Highway基本戦略」における5Gの重点整備エリアの一つに設定されているとのことだ。

同実証実験は、東京都内において5Gを活用したサービス事業の早期実用化を促進することを目的に、西新宿エリアの事業者と連携して実施している。

地域活性化のためのシナリオの立案や自動配送ロボットを活用した新しいサービスの検証、ラストワンマイルを取り巻く社会課題の解決を目指すという。

2.同実証実験の概要および各社の役割、使用するロボット

自動配送ロボットに自動運転ソフトウェア「Autoware」を搭載し、5Gを活用して遠隔監視による運用を行っている。

(1)実施概要

実証実験は、新型コロナウイルス感染症予防対策を徹底し実施。

◆ユースケース検証

ハイアットリージェンシー東京が提供するホテル飲食ケータリングサービスと自動配送サービスを組み合わせ、これからの未来を担う新成人にスマートシティ化が進む西新宿の未来のライフスタイルを体感できる実証実験を実施。

実施にあたっては、より効率的で安全な配送を実現するため、5Gによる遠隔監視システムも活用したという。

今後、実証実験を通して抽出された課題や利用者様からのフィードバックを踏まえ、技術面・運用面・事業面それぞれの観点でサービスの有効性を検証していくとしている。

◆技術・サービス検証

自動配送ロボットが走行するうえでの自動運転リスクアセスメント、自動配送ロボット専用保険、災害発生時などを想定したトラブルサポートや情報配信サービスの提供を検討し、自動配送ロボットの社会実装を見据えたサポートサービスの検証を行っているという。

また、これまで多くの公道自動運転実証で培った走行技術、運行管理技術、5Gを活用した遠隔監視システムによる見守りサービス、自動配送ロボットにおけるPPP-RTK方式の高精度位置測位サービスの有用性検証も実施している。

(2)各社の役割

(3)使用する自動配送ロボット

3.今後について

今後、7つの企業・団体は自動配送ロボットによる新たな配送サービス事業の実用化にむけた課題について、技術面・運用面・事業面でのさらなる洗い出しと対応方針の策定を行い、社会課題の解決やスマートシティの実現に向けて貢献していくとしている。