三菱ケミカル、NTTビジネスソリューションズは、東京建物が運営する商業施設「OOTEMORI(オーテモリ)」の飲食店および食品販売店19店舗で生ごみを袋のまま堆肥化する実証実験を開始したと発表した。
1.背景
近年、環境意識の高まりから、生ごみの堆肥化装置に注目が集まっているが、通常のごみ袋(ポリエチレン製)の場合、利用者は生ごみを袋から取り出して装置に投入する必要があった。
また、一般的な堆肥化可能な生ごみ袋は、高温環境下でないと分解速度が極めて遅いといった課題があったという。
これらの課題を解決するため、三菱ケミカルは長年培ってきたコンパウンド技術を駆使し、常温環境下の堆肥化装置の中でも短時間で分解する生分解性樹脂コンパウンド「FORZEAS™(フォゼアス™)」の新グレードを開発。
さらにNTTビジネスソリューションズは、当該グレードにあわせて食品残渣発酵分解装置「フォースターズ」の運転条件の最適化を実施。
これらにより、生ごみを袋のまま装置に投入し、堆肥化できるシステムの確立に向け、試験運用を実施することにしたとのことだ。
2.取り組みの概要
今年1月21日から、「OOTEMORI(オーテモリ)」の飲食店および食品販売店19店舗で、FORZEAS™製の袋を用いた生ごみの堆肥化の実証を開始。
飲食店から出た生ごみはビル内に設置されたフォースターズに袋ごと投入し、装置内で生成された一次発酵物をリサイクルセンターで堆肥化し、品質評価を行うという。
水分を多く含む生ごみは、焼却処分時に多くのエネルギーを必要とする。生ごみを堆肥化させることは、使用エネルギーの削減、ひいてはCO2排出量の削減に繋がる。
さらに、出来上がった堆肥を野菜などの栽培に活用することで、生ごみを資源として循環させることが可能となるとしている。
3.今後の取り組み
三菱ケミカル、NTTビジネスソリューションズは、各社の技術を結集し、利用者が無理なく生ごみの堆肥化に取り組める環境づくりを進めてきた。
今後も、様々な企業・自治体などと連携しながら、循環型システムの構築を積極的に推進し、サーキュラーエコノミーの実現をめざしていくとのことだ。