東京大学生産技術研究所(以下、東大生研)とプライムプラネットエナジー&ソリューションズ(以下、PPES)、パナソニック、豊田通商は、持続可能な社会へ貢献することを目的に、電池の資源およびリサイクルに関する共同研究を開始すると発表した。
共同研究では、リチウムイオン電池に使用される資源ならびにリサイクル材を原料とした電池材料開発・製造プロセスを題材に、革新的な新規プロセス構築を行い電池のサプライチェーン全体でのカーボンニュートラルならびに大幅な生産コスト低減の実現を目指すという。
具体的には、以下の項目について共同研究を行っていくとのことだ。
1)資源開発~電池材料開発・製造まで一気通貫での新規プロセス開発
ニッケル・リチウム・コバルトの金属資源開発、精錬工程から電池材料の開発製造に至るまで一気通貫で既存のプロセスを見直し、より電池用途に特化した最適なプロセスを新たに構築することで、CO2排出量低減・生産コスト低減・材料生成リードタイム短縮等の課題解決を目指すとのことだ。
共同研究ではその要素技術開発だけに留まらず、開発成果をスピーディーに商業活用する方策も検討していくとしている。
2)電池廃材・廃電池リサイクルの新規プロセス開発
電池のリサイクル率の一層の向上を目的として、電池製造時の廃材・使用後の廃電池から効率的かつ無駄なくリサイクルするための技術開発を推進していくという。
電池メーカーとリサイクル回収・処理を担う商社、総合的なレアメタル精錬技術を保有する大学の4者の知見を融合し最適なプロセスを新たに構築することで、現状、課題となっているリサイクルの過程で発生しているCO2排出量やリサイクルコストの大幅低減を目指すとのことだ。
東大生研、PPES、パナソニック、豊田通商は、今後ますます市場拡大が見込まれるリチウムイオン電池に対し、より一層の安定供給とライフサイクル全体での CO2排出量低減・低コスト化を図るため、技術革新、社会実装に取り組んでいくという。
4者は、カーボンニュートラルの実現に貢献し、環境にやさしい循環型社会の実現を目指すという共通の志のもと、電池産業基盤の発展・強化に向け、産学ならびに企業の枠を超えた専門家同士、ワンチームとなってチャレンジを進めていくとしている。
なお、上記内容をもとに4者は1月26日、相互の連携と積極推進を図るための「産学連携研究協力協定」を締結したとのことだ。