サイバーエージェントは、動画広告に特化した研究機関であるオンラインビデオ総研においてデジタルインファクトと共同で、国内動画広告の市場動向調査を実施し、結果を公表した。
同調査は、インターネットを通して配信される動画広告の年間広告出稿額を推計し市場規模予測を算出。なお、国内の動画広告市場の調査は今回で8回目となるとのことだ。
インターネット広告市場において、広告主とユーザーとのコミュニケーションの起点となる広告フォーマットは、テキストや画像よりも情報量が多く表現力が豊かな動画へと移行が進んでいるという。
コロナ禍で定着した世代を問わないユーザーの動画コンテンツ視聴の増加とともに、大手動画広告媒体のユーザー数も大きく伸長。広告主企業にとって動画媒体の魅力がますます高まりをみせ、広告主企業は、広告予算全体におけるデジタルシフトが引き続き加速し、動画コミュニケーションに対する投資が積極的に進められたとのことだ。
これらを背景に、2021年の動画広告市場は、昨年を大きく上回る高い水準で成長を遂げたとしている。
■動画広告市場推計・予測（広告商品別）2020年－2025年
2021年の動画広告市場は、昨年対比142.3％となる4,205億円に達する見通しに。なお、2022年には5,497億円、2025年には1兆465億円に達する見込みとのことだ。
2021年の動画広告市場は、大手動画配信サービスにおけるインストリーム動画広告を中心に需要が大きく増加。音楽、スポーツ、芸能などのエンターテインメントをはじめ、様々な魅力的なコンテンツの間に、業種や規模の大小を問わず多くの広告主やブランドが、大手動画配信サービスに動画広告を出稿する動きがみられたという。
放送局系列の動画配信サイトにおいては、テレビ放送番組との同時配信も開始されるなど、コンテンツの拡充やユーザーにとって利便性向上につながる取り組みが進みつつあるとしている。
また、ソーシャルメディアにおいては、動画から商品購買までに対応する機能の強化が進み、これに対応した魅力的なフォーマットの開発が進められている動画広告がもつ役割は、ますます重視されていくことが見込まれるとのことだ。
ユーザーにとって、スマートフォン、PC、コネクテッドテレビを通したシームレスな動画視聴が当たり前の行動として定着し、広告主企業においてもこれらに対応するとともに、動画広告の活用の幅をさらに広げる傾向が見られているという。
動画広告媒体をはじめ、ユーザーが動画広告に接する端末や場所、場面も多種多様になり、広告主はそれぞれに合った広告表現によるコミュニケーションがますます必要に。
洗練された動画広告クリエイティブの開発・提供が進み、ユーザーのプライバシー配慮を前提に、個人、場所、場面に応じた適切なコミュニケーションが実現することで、動画広告市場は引き続き高い水準の成長を継続することが予想されるという。
同社は今後も動画広告市場の発展に寄与すべく、企業のプロモーションにおける問題解決や広告効果の向上に努めていくとのことだ。
■調査概要
調査主体：サイバーエージェント
調査時期：2021年10月～2021年12月
調査方法：動画広告市場関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
調査対象：動画広告市場
調査機関：デジタルインファクト
＜参考＞
サイバーエージェント『2021年国内動画広告の市場調査』